08とんだ災難 ページ9
夢主side
「厄介なのがいるな…」
そう呟いた斜め前を歩く折原さん。
どういう意味なのか聞こうとしたら私と折原さんの間を赤い何かがものすごい勢いで飛んでいった。
…………え?
突然のことで思考が停止したがすぐに復帰し、何が飛んできたのか確認すればそれは赤い自販機。
なんだただの自販機か…
………ってあり得ないでしょ!?
自販機だよ!なんキロあると思ってるの!?
軽く500キロはあるよ!重くて800キロあると言われてるんだよ!
巨人が攻めてきたの!?それとも能力者!?
「いーざーやーくーん?」
脳内で中2病的展開を繰り広げていると"すごく"怒気の含んだ声が自販機が飛んできた方から聞こえた。
声が聞こえた方に視線を向けると金髪の……なんだろうスーツっぽい服着た人が指をポキポキ…いや、ボキボキ鳴らしながら近づいて来る。
恐い!恐いよ!?
しかしどれだけ恐くてもこれで終わらないのが現実。
金髪さんは次に標識を掴むと引っこ抜こうとし始めた!
私は開いた口が塞がらないよ!
何?あの人何者!?人間!?狼男!?怪人!?
取り敢えずその手に持ってる標識を降ろして!元の場所に戻して!
Aちゃん、と緊張を含んだ声で呼ばれ我に返った。どうやら私は小さなパニックを起こしていたようだ。
「巻き込んだようで悪いんだけどアレを止めるのは俺にも出来ないんだよね……だから__」
自分でどうにかして避けろ、と?
そんな無茶な…
折原さんが素早い動きで移動したと思えばそこに標識が飛んできて後ろの壁に刺さる。
折原さんスゴい…前世はスーパーマンとかですか…?
「俺にしか攻撃は向けないと思うから……精々当たらないように、ね?」
そこまで言うと折原さんは壁を走って行ってしまった。
……それはフラグですか?いやいやまさか
というか金髪さんの攻撃、大分周りを巻き込むと思うんですけど…建物の中の人無事かな?
って他人の心配より自分の心配だ!早く逃げないと巻き込まれてしまう…というより見つかったら殺される!
折原さんには悪いけど標的は
そんなことを考えていたら頭に衝撃が走り身体の自由も奪われた。
虚ろな目で微かに見えたのは近づいてくる地面と近くに転がる白っぽい物体。
嗚呼、頭に何か落ちてきたのか…
私の人生終わったな…
さようなら皆、悪くない人生だったよ……
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作者名:儚きPIERROT x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=h0ak9an0ai6
作成日時:2015年5月17日 17時