33悪魔の誘惑 ページ37
夢主side
「君、自分が狙われてるって気づいてる?」
物騒な事を言われ眉を潜めたけど、九十九屋さんは気にせず喋りだす。
「折原臨也、勿論知ってるよね?彼は色んな奴等から恨み買っててね、仕返しをしたいって奴がわんさかいるんだ」
そう言われ日頃の折原さんの行動を思い出せば、とても納得してしまう。
………だけど
「それがどうして私を狙うことになるの?」
なるさ!と、さも当然の事のように返ってくる返事。待って当然の事なの?私ついていけない。
「君は折原臨也の部下だからね、彼をおびき寄せる餌に出来る」
なるほど。説明してもらい納得はしたけど今時そんな漫画でも使い古されている方法、使う人いるんだ…
「じゃあ、あなたも私を餌に?」
冗談のつもりで聞いた問いに低い声音での否定が返って来た。
何だろう睨まれた…のかな?目は見えないけど四木さんに笑顔で睨まれた時のように変な汗が出てきた。
「言っただろう話がしたいって」
さっきまでとは違う九十九屋さんの雰囲気に自然と背筋が伸びる。
「君は彼の部下になって一週間程だろ?でもなぜ自分の存在を示すものがもう出回っているのか……気にならないかい?」
その言葉に息を呑んだ。
折原さんに聞けなかった例の紙についてこの人に聞けばわかるのかもしれない。
けど聞いてはいけない と本能的に、頭の奥の方からそう感じた。
「今まで、君を探している奴等に見つからなかったのは君が他人に認識されにくいからだ」
そんなことまでバレているのか、とか冷静に考えることなんてできなくて、
ただ、聞きたい。って気持ちと聞いてはいけない。っていう二つの気持ちが頭の中でぶつかり合う。
"他人に認識されない"
それは一見すればとても魅力的なことかもしれない。
「だけど君にとってはそうじゃない」
私の核心っていうか深いところをグサグサと刺す九十九屋さんの言葉に恐怖で服の裾を握った。
「それに最近
「どうして!?」
思わず声を荒げて立ち上がった。
注目を集めたかと思い周りを見渡したが他のお客さんや店員さんに変わった動きはない。
まるで私の声など聞こえなかったかのように…
「わかるさ俺は何でもわかる」
そう言われ視線を戻すとフードの下から覗いた鋭く光る目と目が合った。
「君……いずれ誰にも気づかれなくなるよ?」
7人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:儚きPIERROT x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=h0ak9an0ai6
作成日時:2015年5月17日 17時