31夢と願っても変わらなくて ページ35
夢主side
それからのことは覚えていない。
気づいたときには自分の部屋のベッドの上で朝を迎えていた。
来ているのは寝間着だから もしかしたら今までの事全部が夢だったのかもしれないって思ったけど、ハンガーにかかった制服や鞄についている水に濡れたあとが夢ではないことを物語っている。
夢だったらどれだけよかったことだろう…
カレンダーを見れば今日は平日。
創立記念日でもないから学校があるのだけど私は何もやる気が起きなくてそのままベッドに戻る。
布団に入っても眠くなることなんてなくて、セルティーさんに迷惑かけたのかな?とか、岸谷先生には気づいてもらえたのかな?とか考えながら無理やり意識を手放した。
・
本来、学校を休んだなら仕事の方も休まなければならないのだけど、無断で休んでしまったし昨日のことも聞きたくて折原さんのところへ行った。
普段のように呼び鈴を鳴らして中に入れば折原さんはパソコンの前で作業をしていた。
「折原さん、昨日は休んですみませんでした」
折原さんの机に近づいて頭を下げると今日は気づいてくれたようで私の方へ顔を向けると首を傾けた。
「あれ、昨日来てなかったっけ?」
来てなかったっけ??
え、来てると思ってた?
私が居ると認識していた?
……あ
"居ない"って認識がされていなかったってことか。
「はい、ちょっと体調を崩しちゃって…」
ありふれた言い訳を言うと折原さんは何か考える様子の後ニヤついてふーんと言った。
バレてる、のか?
冷や汗が出て心臓バクバクな私の思いを知ってか知らずか、まぁいいや と資料の整理を頼む折原さん。
とりあえずセーフ…?
『名前も写真もあるのにそいつを見つけられないなんてなー』
昨日の男の人達の話し合いが頭を過り、そうだったこの事を聞きたいんだったと口を開いた。
「…………あの」
「何?」
視線をパソコンに向けたまま次を促されたが思うように言葉が出てこない。
私が何も言い出さないから二人の間に数秒の沈黙が漂う。
──雇用証明書の紙ってどうしてるの?──
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作者名:儚きPIERROT x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=h0ak9an0ai6
作成日時:2015年5月17日 17時