透明人間は人間に入りますか？【デュラララ】 (ページ31)

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27都市伝説ページ31

夢主side

日曜日、池袋の某所

「いいじゃん行こうよ！」

行こう行こうと迫る狩沢さんは無邪気な子供のようだな、と他人事のように考える。実際他人事なんだけど。

「お願いですから勘弁して下さい…」

迫られている弥生ちゃんが弱々しく言った。

なんでも前回、2人と稀代ちゃんで遊んだのだが、コスプレ体験のお店に連れていかれたんだとか。

稀代ちゃんは上手く回避したのだけど弥生ちゃんは着せ替え人形の如くコスプレさせられたらしい。

もともと注目浴びるのが苦手な子だから余計に滅入ったんだろうな…

「おい狩沢、無理強いすんな」

側にいた門田さんが止めに入る。門田さんとは今日改めて自己紹介をしてもらったよ。

今日は他にも稀代ちゃんと遊馬崎さん、渡草さんがいる。

ちなみに咲良ちゃんは今日はバイトでいない。というより土日とバイトの休日が重なることが滅多にない。この間はそうだったけど２ヶ月ぶりだって騒いでた気がする。

そんなことを考えていると遠くから馬の鳴き声が聞こえた。

その声は心なしか近づいてきている気がする。

「ん？馬の鳴き声…？」

騒いでいた皆も聞こえたらしく辺りを見回す。

「あ！あそこっす！」

遊馬崎さんの指差す方向に真っ黒のバイクが一台、3つ先の交差点から現れた。

あれって確か都市伝説の…

「セルティーさーん！」

狩沢さんと遊馬崎さんが大きく手を振るとこちらに気づいて近づいてくる。

どうやら知り合いらしく首なしライダーと端末機を使って話をしている。

「──あと一人居るんだけど…」

狩沢さんが指揮をとって順に紹介していき、残りは私だけ。だけどあたりを見回す狩沢さんは私がここにいるのがわからない様子。

でも居ることを覚えていてくれてるだけでも喜ぶべきなのかな…

するとセルティーさんが近づいてきて端末機を目の前に出してきた。

《もしかして君のことか？》

端末の内容に思わずえ？と間抜けな声が出た。

私のことが認識出来ているだと！？あ、この言葉中二っぽい。

「良かったな、お前のこと見える人が居て」

私を見つけた稀代ちゃんが言う。

見えるって…私をなんだと思ってるんだ！

「幽霊？」

「姿が消える感じだからチェシャ猫じゃない？」

《君はそういう類いの子なのか！？》

「ちょっと皆好き勝手言わないでよ！私死んでないしちゃんとした人間だよ！」

そしてセルティーさんはどうして怯えてるの！？