【おそ松さん】隣におそ松くん【おそ松】 (ページ5)

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｢うわ、すごいお家ですね。｣

｢何もないけど良かったら上がってってちょうだい。｣

道すがらたくさんの荷物を抱えて歩く女の人を見て荷物を少しだけ持ってあげると、家の中に招待されてご好意に甘えることにした。

着いたお家はかなりレトロな雰囲気を醸し出していて隣に並ぶビルとはまた違った味を出していた。

今でもこんな家あるんだな～。

そんなことを考えながら今どきじゃ珍しい引き戸をガラリと開いて中に荷物を運ぶ。

｢全く…ニート達いるのにお買い物にも行ってくれないんだから…あ、Aさんどうぞ中入って。｣

｢お、お邪魔します…。｣

荷物の片付けを申し出るものの客人は座っててと言われ、仕方なく居間のちゃぶ台付近に腰をかける。

この家の中に住民はお母さん以外いないらしく、居間の広い部屋に寡黙が広がる。

何してようかな、と周りをちらちら眺めていれば再びカタンという音が聞こえた。

｢はい、お茶どうぞ。…あら、誰か帰ってきたわね。｣

｢あ、ありがとうございます…。｣

ドタバタこちらへ走る音が聞こえるとうるさい音と共に襖が開かれた。

｢たでーま～。誰か客でも来てん……あ！？｣

｢あら、おかえりおそ松。アンタ達が皆出てくから買い物の荷物持ち手伝ってもらってたのよ。｣

｢お、おそ松くん！？｣

口をぱくぱくさせてこっちを見るおそ松くんと少ししてからおそ松くんを指さす私。

お母さんは不思議そうに私たちを見ながら首を傾げていた。

｢なんだ、知り合いだったの？｣

｢う、お、ま、まぁ？知り合いっちゃ知り合い…。｣

｢おそ松に女の子の知り合いがいるだなんて知らなかったわよ。……じゃあ私は邪魔ね。｣

そのままお母さんは嬉しそうにしながら部屋から出ていった。

｢おそ松くんの家ここだったんだ…。…随分図書館から遠い所にあるんだね。｣

｢ま、まぁね。｣

｢競馬場なら家に帰る方が近いんじゃない？｣

｢え、何。俺図書館行っちゃ駄目な人間なの！？｣

｢え、い、いや…そ、そういう訳じゃないけど…。｣

これじゃおそ松くんが私に会うために図書館に来てるみたいな言い方じゃん。

そんなこと、有り得ないのに。
自分の馬鹿らしい考えに頭を振った。

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