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「雨の日の図書館はいいねぇ〜。」

「競馬に行った帰りで雨に降られたんだ。」

「げ、何で分かんの?」

「馬券落ちてる。」

「おー、わり。さんきゅー。」




愛おしそうに馬券を握り締めるおそ松くんは珍しく晴れた昼下がりではなくジメジメとした早朝からやってきた。


所々水滴が付いて見えるのはきっと雨で濡れたからだろう。


丁度いい雨宿りの場所ではあるんだろうけど正直図書館が好きな私からしてみればそういう面で使って欲しくないような気がする。



でもおそ松くんに会えて嬉しいから色々と複雑です。




「で、今日は勝てたの?」

「勝てそうだったのに雨天の影響で馬が転倒した。その後この馬券買ったんだけど雨で中止…いやぁ、世知辛いねぇ。」

「世知辛いのはおそ松くんの頭じゃないかな。」

「今日は随分と毒舌なのねA…兄ちゃん泣くわー。」

「おそ松くんがお兄ちゃんだったら苦労しそう。」


そう言って悪戯っ子な笑みを浮かべると「なにそれ酷い!!」と子供のように頬を膨らませるおそ松くん。



時々おそ松くんは自分のことを「お兄ちゃん」やら「兄ちゃん」と呼ぶけれど話を聞くにおそ松くんの家庭は地元でも有名な六つ子の家族らしい。

顔が似たり寄ったりで親でさえ判別しにくいそうだ。



ぜひとも今度おうちに遊びに行って判別出来るか確認してみたい。




「いやぁ、朝ってやっぱ誰もいないんだな〜。周りだっれもいない。」

「来るとしたら受験生じゃない?開館と同時に入ったけど隣に大荷物抱え込んだ学生さんいたし。」

「勉強するとか偉すぎ、俺なら絶対しないのに。」

「今の時代はキャリアが無いと就職も大変だからね。」

「小難しいよなぁ〜昔はどんな人間でも雇ってくれたのに。」

「働いてない人にとやかく言われても…。」

「俺だって一時期働いてましたしぃ。」



えっへんと胸を張るおそ松くんにジト目で見つめると段々顔を逸らし始め「何かごめんなさい…。」とうなだれ始めた。

ううん、男の人なはずなのにその動作は可愛らしい。



「あ、見て…虹だ。」

「え、まじ?どこどこ?」

「ほら、あそこ!」

「まじだ!久し振りに見たかも〜。」




不意に外の景色が見え、薄らと円を描く虹が空いっぱいに広がって辺りを照らす。


その様子を見て、帰れると判断したらしいおそ松くんは立ち上がって「おし、じゃあ俺帰るわー!」と楽しそうに虹を見上げながら笑っていた。





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あやめん - 神か………… スッゴい面白かった! (2018年5月16日 21時) (レス) id: 484bc4ca56 (このIDを非表示/違反報告)
猫きーちゃん(プロフ) - 神小説きたあああああああああああ (2018年5月7日 18時) (レス) id: 53cbda7169 (このIDを非表示/違反報告)
まんねんみ(プロフ) - めっちゃ面白かったです! (2018年5月2日 17時) (レス) id: f6a1ac4a43 (このIDを非表示/違反報告)
みんちゃ。(プロフ) - やはり毎回面白いです。また楽しみにしてます! (2018年4月30日 21時) (レス) id: 761e184520 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/  
作成日時:2018年4月30日 20時

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