待ち構えていた日―�� ページ9
「…あの…すず………」
「ぐずっ…うぅ…」
なんとか少しだけ落ち着きを取り戻し妹に恐る恐る声を掛けてみますが、妹は言葉を返してはくれません。
ただひたすら、ぐすぐすと涙ぐんでしがみついてくるだけです。
背中と肩に少し爪を立てられているせいで痛いのでそろそろ離して貰いたいところなのですが、話しかけても返事が返ってこないのでは私の声がそもそも聞こえているのかも分かりません。
とりあえず彼女が落ち着くのを待った方が良さそうでしょうか。
＿＿＿なんて、妹の柔い髪の毛に頬を擽られながら呑気に考えていた時でした。
「………あ」
すずが、小さく声を上げました。
ほんの一瞬聞こえただけの声でしたが、その声はもう先程までの涙声ではなくなっているのが分かります。
「…お姉ちゃんはやっぱりズルい」
耳元で聞こえたそんな言葉に、確信しました。
彼女は、すずはとっくにもう泣き止んでいると。
「これ何！？」
「………ただのシャーペンですが…」
「ただのシャーペンじゃないでしょ！？
どうしてこんな可愛いシャーペン持ってるの！？」
すずの手に握られていたのは、私が普段使っているシャーペン。
淡い水色の細いボディに白いフリルの模様が描かれている、まあ特に高級品でもない普通のシャーペン…だと思います。
すずの目にはこれがどう見えているのか分かりませんが。
「どうしてこんな、と言われても…私が自分のお金で自分で買ったものですよ。」
「ズルい！自分のお金って言ってもどうせおじいちゃんとかおばあちゃんからお小遣い貰ってそれで買ったんでしょ！？」
「これはお小遣いではなく自分でアルバイトして、そのお給料から買ったものです。」
「だとしてもズルいもん！すずはやっとバイト出来るようになったばかりなのに！」
すずには申し訳ないのですが、何がズルいのかよく分かりません。
分かりませんが、彼女はいつもこうなのです。
両親や祖父母から貰ったお小遣いで買い物をすると、例え自分も同じ額のお小遣いを貰っていたとしてもズルいと言い出し、
今回のように、私が自ら稼いだお金で買い物をしたとしてもズルいの一点張り。
私や家族が何を言っても、『お姉ちゃんはズルい』の一言で自分の思うように全て押し進めてしまうのです。
以前の私なら、これだけ騒がれてしまう前に諦めて彼女の気に入るもの全て差し出していたでしょう。
ですが、今の私は違います。
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Guilty(プロフ) - モモさん» コメントありがとうございます、キャラの把握、そして溺愛っぷりはかなりこだわって書いてますのでそう言って貰えると嬉しいです☺ (2023年2月23日 13時) (
レス) id: 4d6b8818fd (このIDを非表示/違反報告)
モモ - 及川さんの溺愛っぷりがすごいです！キャラがちゃんとつかめていて、見ててすっごく面白です！！ (2023年2月23日 13時) (レス) @page44 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 長らくお待たせしてしまいましたね😅文章の書き方はこだわっているつもりですのでそう言って頂けると嬉しいです、ありがとうございますo(_ _)o (2022年9月11日 19時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
あ - ここここ更新されてる😭ずっと待ってたんですよ！！1話1話の文の書き方好きです (2022年9月11日 18時) (レス) @page29 id: a182ab6823 (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 毎晩覗きに…！？Σ(ﾟ∀ﾟﾉ)ﾉマジですかありがとうございます、そんなに期待されていたとは…毎日更新が出来ないのが申し訳ないです、必ず近いうちにまた更新させて頂きますm(__)m (2022年8月23日 2時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Guilty | 作成日時：2021年7月8日 14時
