第9話【仕事】 ページ11
.
ましろくんと暮らし始めてから、1週間が経とうとしている今日────────・・・私は、とある芸能事務所内にいた。・・・と言っても、私は毎日のようにここへ来ている。何故ならここが私の職場だからだ。
「あっ!誉希!!」
『?・・・あ、日菜』
そう言って駆け寄ってきたのは、同僚の神原 日菜(かんばら ひな)。ましろくんを“拾った”あの日は、この同僚であり、友人でもある日菜に知らぬ間にセッティングされていた合コン帰りだったことを、何故かふと思い出した。
『合コンなら誘われても行かないからね』
私が挨拶もそこそこに、そう伝えると日菜は口をとんがらせながら
「別に合コンの誘いじゃないよ!もー!!てゆか、誉希が来たら、男共みんな誉希のこと狙うんだもん!面白くないから、もう誘わなーい」
と言ってきた。
『だから誘わなくていいって』
私は半ば呆れ気味に、彼女の頭を軽く小突くと「いたっ」と、大して痛くもないくせに大袈裟に痛がる日菜。
「もーっ!私の可愛い頭に傷が出来たらどーするのっ!責任取ってくれるんでしょーねっ!?」
『相変わらずのバカナルシストね』
「誰がよっ!バカ誉希!!」
私は小さく笑うしかなかったのでした。
.
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:智弥 | 作成日時:2018年10月22日 3時