・ (終) ページ4
「緊急の時以外には使わない。無尽蔵に召喚できるわけでもない。」
「ふーん、僕のために使おうって気にはならないわけ？」
「そうだな……これから一生大人しく、破壊活動も、他者を蹂躙することも辞めてくれるのなら召喚しても良いかもしれない。」
「じゃあいいや。」
もしかしたら、と淡い希望を抱いて出した交渉条件は呆気なく却下された。
どうやら菓子よりもMadの負の感情の方が、シャタドにはお気に召したらしかった。触手が上機嫌に揺れている。
「後悔、自責、自己嫌悪、憎悪、悲哀、嫉妬…全部僕の糧になる、重要な餌だからねぇ。君が僕に対してイライラしてくれればしてくれるほど僕にとっては良いんだけど？」
にまにま、と意地の悪い笑顔を浮かべてMadを見つめるその目は、面白い玩具を見る子供のような歪な純粋さで満ちている。
その子供らしさにDreamの面影を感じて「そういえば此奴もDreamだったか」などと思い、Madは目を逸らす。遊ばれるつもりも手玉に取られるつもりも毛頭ないのだから。
また、好奇だろうが恋慕だろうが、嫌悪や憎悪であろうが自分に向けられた視線は苦手だった。
「邪魔しているのは自覚済み、という事でいいか。
…だとしたら本当に邪魔しないでくれ。お前らの世界が今保てているのは、俺が管理して異常を取り除いているからだ。それが仕事だからだ……。邪魔をされたら、いつ崩れるかもわからない。」
粗方疲れも取れたのか書類を手に取り、変わらず視界にシャタドを映す事なくぼやく。
嘘ではないが、こうして役目や世界を脅しに使うのは好きではない。彼の方を見ないのはその罪悪感などもあるのだろう。
その感情もシャタドにはお見通しである。
「嫌なら言わなきゃいいのに。」
くすくす、くすくす。
邪魔している本人が一番楽しそうに嘲笑し、目を細めてはMadの感情に舌なめずりする。
一方Madは既に諦め、彼の言葉を聞き流し始めつつあった。
反応するだけ無駄だと分かっていても、的確に地雷を踏み抜いてくる言葉にいったい何秒耐えられるのだろう、とも考える。
近い内に自分の精神的メンタルの弱さを見直し、なんとか克服しよう。
そう小さく決意を抱いて、なるべく彼の言葉に耳を傾けないよう、今度こそ書類に集中しだしたのだった。
定番ネタをしてみよう。《版権(Shattered+DINTIS+Reset)》→←・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
螺子 - 続きが気になる病に罹りました!!のんびり更新待ってます〜!! (2023年2月1日 17時) (
レス) @page19 id: ef6865ad9b (このIDを非表示/違反報告)
もふわた【きまぐれ極低浮上】(プロフ) - 星雪桜さん» コメントありがとうございます、シャタド君にはネガティブのために(大抵が度を過ぎた)悪戯をしてほしいな、と……完全なる幻覚ですが、やんちゃしていてほしいですね…！！ (2023年1月14日 13時) (レス) id: 16b00589d0 (このIDを非表示/違反報告)
星雪桜(プロフ) - そちらのお宅のShattered、ちゃんとネガティブ採取しようと動いて… ｶﾜｲｲ。(本当はそれが正しいのですが)初コメ失礼致しました。 (2023年1月14日 11時) (レス) id: 2d02a9e0d3 (このIDを非表示/違反報告)
もふわた【きまぐれ極低浮上】(プロフ) - 宇治露 歩阿さん» 思いついたら気ままに書いていこうと思います。 (2023年1月13日 8時) (レス) @page9 id: 16b00589d0 (このIDを非表示/違反報告)
宇治露 歩阿(プロフ) - 新作楽しみにしてます (2023年1月13日 0時) (レス) id: 0bb7a6f5d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もふわた【きまぐれ極低浮上】 | 作成日時：2023年1月11日 19時
