第208話・ヒロトの味方 ページ29
「人から言わせてみたらきっと、吊り橋効果に近いのかもしれないけど…
俺は最近…ちゃんとこの恋心に向き合えたから。鬼道くんたちには負けない、負けたくない。
Aちゃんを世界で一番好きだってことを証明したいんだ」
そんなことを語るヒロト。
それを漠然とした感情で聞いていた木暮。
Aに対しては、木暮はありのままの言葉で彼女を表現した。
美人で上品に見えて、性悪で悪知恵が働いて、口が悪くて、
時折見せる冷笑がめちゃくちゃ怖くて、特にドSなのか柔軟をやる際は、
それはそれはとてもとてもとてもとても楽しそうにやっていらっしゃる怖い存在なのだ。
だがプレイヤーとしては、強く頼りがいのある人物で信頼している。
孤児である自分とは違って、両親から愛情を注がれ、それはそれは幸せに暮らしているのだろうと思っていた。
だが実際のところ、母親とは死別、父親は顔を見せず、祖父母に育てられた家庭環境。
幸せの形は様々だろうけど、やはり両親がいないこと、捨てられることは子供にとって、一生の傷になる。
大好きを裏切られるのが、どれだけ辛いか…それは木暮も理解できることだった。
同情ではない。同じ穴の狢だと思っていた。けれど違った。
彼女は、サッカーというスポーツで父親との絆を確かめようとしていた。
ヒロトが真面目に話すから、しみじみ思ってしまう。
彼女は父親と決着をつけることで、前に進むことが出来るのだと。
「…そっかぁ…そうなんだ。俺にはまだちょっとよく分からないや」
恋とか、好きとか、そういうことはまだ分からない木暮。だが
「でもさ、ヒロトさんがそういうなら俺応援するよ」
「え、」
「Aさんのこと好きなんでしょ？ 俺応援するから！」
抱えるものが大きいのなら、同じように抱えてあげられる存在がいれば、
彼女も気が楽になるだろう。それをヒロトならしてくれれる。
そう考えた木暮はヒロトの恋を応援することに決めたそうだ。
純粋に恋の応援をされたヒロトは、戸惑った。
というかちょっと鬼道たちに悪い気がした。
話しはそこまでにして2人は寝入って、
翌日河童らしき少年らとサッカーをすることになることを彼らはまだ知らない。
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活字不足卍(プロフ) - ごめんちゃい………でも頑張って10月中に出すよ！ (2022年10月21日 23時) (
レス) id: 251c6e8c34 (このIDを非表示/違反報告)
活字不足卍(プロフ) - 極端に言うとほぼ今日から書き始めました (2022年10月21日 23時) (レス) id: 251c6e8c34 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます。 (2022年10月9日 21時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - お仕事大変なのに更新ありがとうございます。生きる糧なので続きを期待して待ってます！ (2022年10月8日 18時) (レス) @page37 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2022年10月8日 14時) (レス) @page37 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2022年9月22日 21時
