転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ22)

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第161話・千羽山戦　その4 ページ22

松野が山根と競り合っていると、
サイドラインに選手が集中し中央には誰もいない隙が生まれている。

「円堂ッ！！」
「！」

鬼道から円堂に前に出るように指示が出て、豪炎寺と円堂がイナズマ1号を発動する。
だがそれも無限の壁によって止められた。
だがイナズマ1号だけは完璧に止められずゴールラインに弾かれた。

「威力が足りない」
「え、」
「イナズマ1号に威力が足りない」

━━━━まだ…イナズマ1号じゃあ威力が足りない。

イナズマ1号も通用しないとなり雷門イレブンが俯き始めた。
「世宇子にリベンジする」と宣言した鬼道ですら、諦めた様子をしている。
それに気づいた円堂は声をかける。

「おいみんな！どうしたんだよ！なに凹んでんだ！
　まさか、諦めたなんて言うんじゃないだろうな！まだ試合は終わってないんだぞ！！
　土門！栗松！風丸！」
「でも無限の壁が破れないんじゃ…」
「やっぱり必要なんだよ…必殺技が…」

スッと立ち上がったAがフィールドのラインギリギリまで近づいた。

「諦めるなッ！」

「！ A？」
「Aさん…」

「君たちはいつも、どんなときも諦めなかったじゃないか！
　君たちの真の必殺技は〝諦めない気持ち〟だろ！」

「！！」
「諦めない、気持ち…」

Aの言葉を復唱する少林寺。

「帝国のときも、尾刈斗中のときも、野生中のときも、
　御影専農のときも、秋葉名戸のときも、戦国伊賀島とのときも！
　最後の1秒まで負けることなんて考えたことなんてないだろ！！そうだろ！？」
「…A…」

約束をしたのに、それを不意にしようとした自分に怒りを覚える風丸。

「私に見せてくれただろう…成長する君たちの力を。
　今回だって見せてよ、君たちの本当の必殺技を！！」

普段は落ち着いており、
誰よりも雷門イレブンの力を信じているAが感情のまま激情を語る。
それに呆気に取られた雷門イレブン。
円堂はAの気持ち、エールが嬉しかったのかニカッと笑って「そうだ！」と肯定した。