転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ23)

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第162話・千羽山戦　その5 ページ23

「俺は諦めない！諦めたらそこで終わりなんだ…そんなの、俺たちのサッカーじゃない！
　俺たちのサッカーは、絶対に最後まで諦めないこと！
　答えてやろうぜAの言葉に！最後まで、俺たちのサッカーを！！」
「円堂…！」
「円堂！」
「キャプテン！」
「円堂！」

円堂とAの気持ちに応えるように全員が同調する。
鬼道は河川敷で豪炎寺が言っていた言葉の意味を今ここで悟る。

(これだったのか…円堂と一緒に戦うと言うことは…。雷門の本当の強さとは)

残り5分。円堂がゴールまで上がった雷門の全員サッカーで巻き返しを狙う。
積極的にゴールを狙う雷門。だが千羽山も抵抗を続ける。
半田から鬼道へパスが回った。
すると千羽山はかごめかごめと鬼道を囲んだ。そこへ円堂が走って来る。

鬼道が高くボールを蹴り上げ、そこへ円堂、豪炎寺が続き、鬼道も加わり3人で同時にシュートを放つ。
まるで稲妻を纏ったボールが無限の壁を突き破り、会場中は静寂に包まれた。

実況である角間も言葉を失い、ハッとする。そして歓声が上がる。

「無限の壁が破られたぁあ！千羽山ついに失点！
　無失点記録がついに途絶えたぞぉぉお！！」

鉄壁の無限の壁が破られたことで千羽山の選手たちが些細なミスをし始めた。

「無限の壁が破られたことによる精神的な不安がプレイに現れ始めたね」
「だからミスが増えているのね」
「ここはプロの世界じゃないからね。精神的なケアまで一流なわけじゃない」

鬼道がパスカットしイナズマブレイクで更に追加点を入れた雷門。
そして試合終了のホイッスルが鳴り響き2対1で雷門が逆転勝利を収めた。

「いつもいつもハラハラさせるなぁ…」
「やったぁぁ！！」

大喜びした宍戸が円堂に抱き着いた。
そういう感情が豊かなところはやはり中学一年生らしく可愛らしい。

「A！」
「？風丸」
「悪いな、お前との約束…破りそうになって」
「勝ったんだから、それでいいじゃん」
「……そうか」

こうして雷門イレブンは準決勝へと駒を進めた。