第037話・新聞部の少女 ページ41
河川敷で練習をしていると染岡のラフプレーが目に付く。
シュートをするもゴールから外れす始末。その場に膝をついて地面を殴る染岡。
かなり焦っている様子だ。
彼の焦りは、今回の試合だけに留まっていない。
おそらく今回尾刈斗中に勝てたとしても、フットボールフロンティアへは男子しか出れないからもあるのだろう。
染岡が私を頼りにしているかどうかは、知らない。
けれど帝国との試合で私のプレーを見た一年生は頼りにするだろう。
それが今だけだと分かっていても。
秋がフィールドの外から染岡たちを心配した表情で見ていると「木野せんぱーい!」と可愛らしい声が聞こえて来た。
声に吊られそちらを見ると、頭に眼鏡をつけたオレンジ色のリボンの少女が走ってきた。
「君は…確か…」
「音無春奈です!」
「そうそう、音無さん」
うっわぁ白々しい〜。
私ってば一生何も知らないふりをする演技しなきゃいけないなんて…
ハリウッド女優も顔負けの年月演技するのかよ〜。しかも無償だし。
まあでも、この子らの成長がお給料と言うことにしておこう。
「また取材?」
「いいえ! 今日は練習の見学です!
私あれ以来雷門イレブンのファンになっちゃったんです!
もうみんなが一生懸命戦う姿がカッコよっくって!」
「それは…どうも…ありがと」
テンション高めにはしゃいで話す春奈に苦笑いを漏らす秋。
「九重先輩の試合での活躍の写真なんか完売ですよ!」
「え、ちょっとまって写真ってなに?」
「知らないんですか? 写真部が記念にってカメラ構えていたんですよ!
ボコボコにされる中に九重先輩が颯爽とボールを奪って、
猛スピードで帝国陣内に上がって行って、シュートまで決めたじゃないですかあ!」
前のめりにあの時の状況をすらすらと述べる。
さ、さすがは(?)新聞部…記憶力がいいな、オイ。
「シュート決めたと言っても止められたし…」
「でも九重先輩の活躍は本当にすごかったんですからぁ!
帝国イレブンの記者もいたんですよ! ……数人ほどですけど」
え、そんな話…アニメでは聞いたことないけど。
私が関わっていることで、多少の物語が違った方向へと進むのは目に見えていた。
分かっていたことだが…まさか記者がいたとは思わなかった。
にしても春奈の歯切れが悪いが、一体なんだ?
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活字不足卍(プロフ) - 書いてる (2022年6月9日 1時) (レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - この話好き!pixivでも書いてますか? (2021年1月23日 8時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:活字不足卍 | 作成日時:2019年3月31日 1時