転生者は、苦悩する Lv.1【イナズマイレブン】 (ページ40)

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第036話・参加条件ページ40

「すごいでヤンスね！もう次の試合が決まるなんて！」
「やったな、円堂！」
「ああ！夢みたいだよ、また試合が出来るなんて！」
「今度こそ――」
「あのねー。二回目の試合が決まっただけで夢見心地なんてバカらしくて、失笑すら変えないって！」
「ちょAさん！僕のセリフとかぶせないで――」
「それに話は次の試合だけじゃないんでしょ？夏未さん」
「え、ええ。察しがいいのね」
「それはどうも」

　目金のセリフ(メタい)に再び被せると「無視ー？！」とショックと言わんばかりに彼らしい高い声を出して隅っこで落ち込んでいる。
　すごいよね、声優さんって。本当。あれ10年後聖堂山の真命ちゃんの声やってんだせ。個人的に今でもビックリなのが佐久間と壁山が同じ声優さんということなんだけどね。10年後になってもあの二人の声は田野めぐみさん。(10年後10年後って言うけど実際10年経っているわけじゃない)

「まあ、その話の前に。…対戦校はどこなの？」
「尾刈斗中。試合は一週間後よ」

　学校の名前に聞き覚えがあるのか、円堂は妙に納得したよな顔をする。が半田は聞き覚えがないのか首を傾げる。

「もちろん、ただ試合をやればいいという訳ではないわ」
「なに？」
「今度負けたらこのサッカー部は直ちに廃部」

　まるでいつものことのように廃部を言い渡す夏未お嬢様に対し「またかよ～…」と項垂れる円堂たち。だが彼女はこうも条件を出してきた。勝てばフットボールフロンティアへの参加させてくれる。と言うのだ。

「せいぜい頑張ることね」

　それだけ言って彼女はサッカー部の部室を後にした。

「フットボールフロンティア……これに出られるのか…？」

　しばしの沈黙。参加できるかもしれないという歓喜はかなり遅れてやってきているようだ。

「すごいですね！中学サッカー日本一を決める大会ですよ！」
「おおぉ！俺、盛り上がってきたでヤンスよぉ！」
「部員八人の頃じゃ考えられなかったもんな～！」

　宍戸、栗松、半田がそれぞれ感想を言う。とはいえ、まだ確実に参加できると決まったわけではないのだが。

「喜ぶのはまだ早い！俺たちは今度の試合に勝たない限り出場できないんだぜ！」

　おっ、染岡さん分かってますね！
　彼らの力では、まだ確実に尾刈斗中に勝てるという保証はない。けれど、私が必ず勝たせるから。
　そして円堂の号令で河川敷にて練習をすることになった。