元マフィアの私は安吾様の彼女です！

夢主ちゃんが乙女ゲームにハマった話　　　　side安吾 ページ16

「A、いい加減仕事して下さい。」

最近、Aが乙女ゲームにハマったらしい。が、いくらなんでもやりすぎだ。

「ちょっと待って、あぁ。やっぱりいい！」

「A、いい加減にしなさい。」

少し大きな声を出していた。自分でも驚いた。

「な、何で？安吾様、ぜんっぜん私に構ってくれないのに。」

気づけばAは泣いていた。投げ出したAのケータイを見れば明らかに僕ににせた人物をつくっていた。もしや…

「安吾様のバカっ私がいるのに仕事ばっかりしてっぜんっぜん構ってくれなくてっ仕事が恋人？私だもんっやだやだっやだよぅ。構ってよぅ。」

分かってしまった。Aはただ、寂しかっただけだった。不安にさせてたなんて…
子供のように泣き叫ぶAを抱き締めた。

「…！」

すると、

「ふふふ。ありがと、安吾様。今日は仕事定時で終わってね。」

と、呟いた。今日の分は明日にでも回して、今日はAと帰ることにしよう。

「安吾様、今日くらいは構ってよ。」

微笑んで言った。僕も返した。

「勿論ですよ。」

と。

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