第三百七十一訓 ページ30
それからも私はどうにも緊張してしまい、完全にだんまり。一言も喋っていない。
なのに総悟は私を見つめてくるし。
それに私は下を向いてジッとしてるしかないし。
そうして沈黙が辺りを包み込んだ。
パシャン……パシャンッ、というお湯の音だけが響き妙に気まずい。うん。無理。気まずさと羞恥に押し潰されて死ぬ。
(さ、流石に何か話した方がいい?いやでもこの状況で気楽に話せる程度胸ないし図太くもないし、)
『ッ、ぁ、あのっ!総、』
けれど、どっちにしろこのままだとどうにもならない。
『悟………』
だから勇気を持って話しかけたのだが…
『え』
総悟は此方に手を伸ばしてこようとしていた。
何をしようとしたのかは分からない、でも私に向かって伸ばされた手が……すぐ傍で止まっている。
『ぇ、ぁ、あの……総悟??一定の距離を保つんじゃ』
沖田「うるせェ……アンタが色っぽいのが悪ィ」
見ると、総悟の頬は少し赤く染まっていた。熱に浮かされたみたいに。その瞳は確実に私の体と表情をきっちり捉えていて。
『ぇ、と、』
ぱしゃん…っ、と音を立てて後退しようとする。が、それを目敏く見つけた総悟は手を動かし…
『んっ!?』
お湯の中で……太腿に手を滑らせてきた。びくりとしてそのまま後ろに逃げようとするが、これ以上進めばもっと奥に進むとでも言わんばかりに更に指が滑る。
『ゃ、ちょ、何してっ』
沖田「"一定の距離を保つ"っていう約束でしたよねィ?だからこれ以上離れちまったらいけねェだろ」
だからって触ってくんのは違くない!?
……………って、アレ??今お風呂だよね…?
つまり私も総悟もタオルの下は全裸…
…………えっ
『ひゃぁぁぁあっ!待って、裸で近付かないでっ止まって!私も裸だからっ!!総悟!!!無理無理ぃ!!』
真っ赤な顔になりながらもばしゃばしゃと後退する。そんな私の状態が珍しいからか、総悟は目を見開きながらも…笑った。
待って、嘘、むり、
総悟の引き締まった体だとか、そこを伝う汗と水だとか、少し濡れた髪だとか、赤くなった頬だとか全部が色っぽい。
職業柄体に傷が出来ているが、それは男らしさを増長させる物でしかなかった。しかも発達してて胸筋しっかりしてるし腹筋割れてるし。
『って、何で近付いてくるのっっ!!』
沖田「………楽しいから?」
このドSがぁぁぁぁ!!!
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きょ - いやん❤️センシティブ❤️ (1月17日 20時) (レス) @page5 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - めっちゃ好きです……。今一気読みしている途中なんですが、ここの章を何回も読んでしまいますw 夢主ちゃんが神楽ちゃんを攻めて、赤くなっちゃう神楽ちゃんとそれに嫉妬する沖田君たちが見たい…!!もちろん書けとは言いません!応援してます!! (2023年2月26日 19時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
mia - 作者様神っす!ヤァバイ最初のイチャイチャが…(鼻血)これからも応援させて頂きます!!👍 (2021年10月3日 20時) (レス) @page4 id: 220694a240 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫 - 神楽ちゃんのハーフツインテが見たいーーーー‼️ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 639c61a784 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫 - 仲いいナお前ら↓ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 639c61a784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年1月27日 22時