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第三十六話.尼伊月【十二日月/味噌田楽】 ページ36

蕗槻の肩に手をぽん、と置き、無惨様の事だから、と疲れた様に言う月夜に笑いながら声をかける。

「月夜チャン、相変わらずだねぇ。」

「何がよ。」

やっぱり尼伊月の方を向くと目付きが鋭くなる。
そんな彼女に怯まず、茶化しながら言った。

「ほら、そういうトコ。無駄な癖に、無惨さまに反発したりするじゃない?」

「無駄って言うな。」

前を向き、目だけこちらに向けて抗議をしてくる。

そんなことをして遊んでいたら、琵琶が音を立てた。

「!!!来た!!!」

ぱっと目を輝かせ、隣に現れた二つの人影に抱きつく。
月夜も、人影のうちの一つに、助けてくれと縋るような目を向けた。

「深呪ちゃーん!久しぶり!元気してた?ちゃんと人食ってる?」

「?!、あ、ああ、尼伊月様でしたか、驚きましたよ、急に抱きついて来るのですから。
元気、ですよ。さっきまで楽しく人間鑑賞してましたもの。」

「尼伊月で呼び捨てでも良いのにねぇ。どうせ本名では無いんだし。」

「もう癖の様なものですよ。」

あはは、うふふ、と、久しぶりの逢引をする恋人同士の様に、微笑ましく会話を二人。
会話の内容は物騒な所が多いが。
尼伊月に抱きつかれているもう一つの人影が、もう我慢できないとばかりに口を開いた。

「ちょっと、尼伊月??抱きつくなら抱きつくで俺にも何か話しかけてくれても良いんじゃない??」

「あ、綺斗ちゃんだ。居たんだね君」

「自分から抱きついといてよく言うよね!!」

もう疲れた!やって来て数分も経ってないのに!!と叫ぶ綺斗は、少し哀れだった。

「ほら、尼伊月、綺斗も困っているでしょう、離しなさい。」

ここぞとばかりに尼伊月に解放を訴えかける月夜。
振り回されてばかりいる綺斗をさっさと解放して自分も話したいと思ったのだろうか。

「あ、良いよー」

あっさりと解放する尼伊月。
綺斗は俺って一体...と呆然とした。

「本当に尼伊月は性格が残念よね。」

「俺は嫌いじゃ無いんだけどねェー」

そう言って、二人は話し始めた。

琵琶の音が鳴る。

「うおっ」

一気に日月と揃った。

「...さて、全員揃った様だな。」

さっきまで大人しく静観していた鬼舞辻無惨が口を開いた。

「酷いことが起こった。」

あの鬼舞辻無惨が酷いと言う事はどのような事なのだろう。
皆が息を飲む。

「私の残しておいた大切な牛乳卵砂糖寄温菓(カスタードプリン)が食べられた。」

広間が沈黙に包まれた。

第三十七話.蕗槻【十二日月/ぷれえと】→←第三十五話.蕗槻【十二日月/ぷれえと】



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如月蛍(プロフ) - 【如月/主/修正】修正終了しました。次の方どうぞ。 (2021年8月13日 22時) (レス) id: a1933fa7ff (このIDを非表示/違反報告)
如月蛍(プロフ) - 【如月/主/修正】お話をそのままコピーしたのでルビがおかしくなっているので、集成させていただきます (2021年8月13日 21時) (レス) id: a1933fa7ff (このIDを非表示/違反報告)
味噌田楽(プロフ) - すみません、リレー小説を書きたいと思うので、パスワードを教えてくださると幸いです。 (2021年8月13日 19時) (レス) id: 9f9b8eea81 (このIDを非表示/違反報告)
極楽蝶* - 【日光隊\雫日 桜庭薫\こうしんしました】 (2021年8月13日 10時) (レス) id: 8608842858 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅 零(プロフ) - 極楽蝶*さん» 素早いご対応ありがとうございます。では、改めましてこれからよろしくお願いします。 (2021年8月13日 10時) (レス) id: 2214ae1c32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魑魅 零 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/SudamaRei21/  
作成日時:2021年7月10日 17時

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