Re:世界ノ再構築 (ページ4)

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02a.自我ノ犠牲ページ4

“ヨルハ部隊降下作戦”。これが今回の作戦の名前だ。大型機械生命体の破壊が目的となるため、空中戦闘も充分に有り得る。また、敵の数、強さ、大きさ等も不明。この状況を鑑みて、司令部はバンカーに残っている、ありったけの飛行ユニットを使用した上で戦力投入をするように通達した。そこには勿論、2B、9S、4Cも含まれている。

メンテナンスを終えたアンドロイド達は、S型とB型・4Cの二手に分かれて行動を開始した。どちらも目標地点は同じだが着地点は異なっている。B型が飛行可能な機械生命体を引き付けている間にS型が安全なところへ降下し、援護の準備を行う戦法だ。

戦闘型であるB型アンドロイドは陣形を組みながら滑空していく。2Bは部隊長のため中心地点を維持しつつ飛んでいた。4Cは、そんな2Bの後方をピッタリと着いている。

「4C、大丈夫？」

正直なところ、2Bは心配だった。地上での戦闘は強力な魔法攻撃によって敵を粉砕している4Cだが、2Bは4Cが飛行ユニットを使用した空中戦の場を見たことがない。搭乗前から心配で、4Cに「私が4Cの分も機体制御を行う」という提案をしたが、4Cが自信満々な笑顔で「平気だよ！なんとかなるなる！」と言うのだから仕方ない。2Bも自分の後ろについて来るなら、という条件で承諾した。

なのに、今の4Cの機体は微妙に軸を保てていないうな動き方をしている。やはり自分が無理にでも機体制御を行うべきだったか...、と2Bは後悔した。

「うぷっ...。だ、大丈夫...。
ちょっと乗り物酔いしちゃっただけだから...。」

2Bからの通信要請に4Cボイスのみでの返答を行った。体調の悪さのせいで、もしかしたら少々顔が引きつってるかもしれないと考えた苦肉の策だ。

アンドロイドが乗り物酔いすることは基本的にはありえないが、一部の部品が欠損していたり傷がついていると、極たまに画像認識機能やバランス調整機能に異常が起こるようだ。確かバンカーにも、このような症状を持つ者が1人いた気がする。

2Bはため息混じりに4Cへとメッセージを送信する。

「任務の前にちゃんとメンテナンスは済ませてきた？」

「もちろん！ま、まぁ、任務に支障が出るほど調子悪いわけじゃないから、問題ないよー。」

「ならいいけど...。」

「あはは.....あ、来たよ！2B！」

4Cは敵の気配を察知することに長けている。2Bは即座に4Cとの通信画面から正面へと視線をずらす。なるほど、4Cの言う通りだ。