16話 ページ39
そっとフクロウと額を合わせ目を閉じる
この子が無事に手紙を届けてくれますように、セブルス先生が危ないことしませんようにと願いを込めて最後に一つ額に口付けた
窓の元まで連れて行き、腕を空へと伸ばす
すると、フクロウは私の肩に飛び乗り頬に軽く擦り寄った
驚き目を見開いていると、一瞬のうちに空へと飛び立っていってしまった
嫌われてはなかったみたいね
どことなく温かい気持ちを抱えながら、部屋を後にした
もう皆起きる頃だろう
一回に降りて朝食の準備を手伝い、皆が食べるのを見守る
ハリーはまだ寝ている
疲れているだろうから寝かせておこうということになったのだ
そしてハリーが来たのだと知った皆は嬉しそうな面持ちで朝食を掻き込んでいる
食べ終わってすぐにロンがハリーの眠る部屋へ突撃しにいったのを、呆れた顔をしたハーマイオニーと共に追った
部屋に入るとベッドに横になりながらロンと話すハリーがいた
ハリ「今何時？朝食を食べ損ねたのかなあ？」
ロン「ママがお盆を運んでくるさ。それで、最近どうしてた？ダンブルドアと一緒に出かけたんだろ？」
ロンが興奮したように尋ねた
ダンブルドアと出かけた＝素敵な大冒険だとでも思っているかのようだ
ハリーがスラグホーンにあっただけだと話すとロンは明らかにがっかりしたような顔をした
ハリーはそれをどこか不審に思っているようだったけれど、ジニーが入ってきて話は変わった
ジニ「あの女、頭にくるわ」
ハー「今度は何したの？」
ジニ「私に対する口の聞き方よ＿＿まるで三つの女の子に話すみたいに！」
この言い様からしても話の内容はフラーさんについてだろう
そして噂をすればなんとやら
部屋の扉が開かれ、お盆を持ったてフラーさんが現れた
フラ「アリー、おいさしぶーりね！」
まだ英語の発音は難しいようで曖昧な話し方だ
そしてその背後からはモリーさんが不機嫌顔で現れた
モリ「お盆を持って上がる必要はなかったのよ。私が自分でそうするところだったのに！」
フラ「なんでもありませーん。私のシスターのガブリエール覚えてますか？あの子、また会えると、きーっと喜びます」
ハリ「あ…あの子もここにいるの？」
フラ「いえ、いえ、来年の夏でーす。その時私たち＿＿あら、貴方知らないですか？」
そういえばハリーはまだ知らないのか
フラーさんは非難するようにモリーさんを見ている
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作者名：葱 | 作成日時：2020年6月2日 19時
