10話 ページ33
勧められた香水のシリーズで獅子をモチーフとしたものがあったのでそれを選んだ
ギフト用にラッピングをしてもらい、無事にハリーへのプレゼントも決まった
素敵なおじ様だったな…また機会があったら来てみよう
丁寧に見送りまでしてくれたおじ様に一礼して、近くの森へと足を向けた
さて、そろそろ皆に手紙を書かないと
イギリス国内の森はあちこち回っていたからここも例外ではなかった
森の様子を確認して、問題もなさそうだとわかったので足を踏み入れる
ルークは自然に触れて元気が戻ったようだ
私は今までは無意識で魔法を使って生活していたらしく、ホグワーツで制御の仕方も学んで魔法なしで森暮らしをするのはなかなかに大変なことに気づいた
木は重くてなかなか簡単には持ち上げられないし、森で一年中過ごすのは気温的にも厳しいものだった
とは言っても何年も暮らしていたわけなので他の人よりは快適に過ごせる
工夫の仕方もわかっているから生きられないわけじゃない
取り敢えず机になる切り株は…あった
ここで皆に手紙を書こう
無事に死喰い人の集まりから抜けたこと、今は森にいること…それらを書いて封をする
ルークは手紙を半ば奪うかのように咥えた
『行ってくれるの？体調は大丈夫？』
すると彼は元気よく鳴いて見せた
無理している風でもないし大丈夫かな…
一番安心して任せられるのはルークだけだし、大人しく彼の厚意に甘えることにした
『お願いね、ルーク』
ルークが飛び立つのを見届けて、立ち上がる
さあ、それじゃあ今日の寝床を用意しなきゃ…
トランクの中からコンパクトなテントを取り出した
動物の気配のない場所へと向かう
…因みに私のトランクの中身は殆どが森で生活するためのもので埋まっている
なるべくここに住うものたちの邪魔はしたくないので、誰の縄張りでもない場所にテントを張った
環境がいいからかここは草木が自然に育つ
出発する時は薬草とかも少し採取しよう
落ちている木の枝を集めて夜に火を起こせるようにと準備して…
食料は木の実を少しいただく
日が沈み始めた頃、ルークが帰ってきた
返書を受け取って封を切る
ロン「ママはすぐにでも来てもらうようにって。君さえよければだけど、うちはいつでも歓迎さ。皆待っているから」
流石に今から向かうとなると遅い時間になってしまうし…明日出発しよう
私は楽しみに思いながらその日を終えた
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作者名：葱 | 作成日時：2020年6月2日 19時
