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7話 ページ30

そもそも1人で帰れるから送ってもらう必要はない



『誰もこんな小娘を送るなんて小さな仕事したくないでしょうから、私一人で_』



その時

扉が開いた



入ってきたのは真っ黒な男_ここにいる人は皆真っ黒だけれど_セブルス先生だった




セブ「遅れました、我が君。…その者は…」



セブルス先生の目がこちらに向き、微かに見開かれたように感じた

本当に少しの変化だから気のせいかもしれないけれど



『あら、スネイプ教授ではありませんか。こんばんは』



今はこの演技を徹底していたいから

距離を感じさせるように冷たく微笑んだ



ヴォ「遅い故心配したではないか…ああ、セブルス、お前はホグワーツではこの者の世話係だと聞いているが…」


セブ「…はい。この者の管理は我輩に一任されております」


ヴォ「ならば丁度良いではないか。花の愛し子の管理、送り迎え等はセブルスに任せるのが良いだろう。どうだ、セブルス、やってくれるか?」



ちらりと再びこちらに目が向けられた


『ヴォルデモート卿、私は一人で帰れますし、送り迎えもいりませんよ。それにスネイプ教授はお忙しいでしょうし_』


セブ「承りました、我が君。我輩が責任を持ってこの者を管理いたしましょう」



…私の意見は聞いてもらえないのね


他の人に監視されるよりはずっといいけれど、セブルス先生に面倒をかけるのもセブルス先生に近付きすぎるのもあまり好ましくない


セブルス先生も休暇中まで私の面倒見たくないだろうし





その後私は部屋を追い出された


部屋に残ったヴォルデモート卿とセブルス先生の会話が気になりながらも、それを聞くことは叶わなかった




明日は朝早くにここを出よう



セブルス先生が居ればドラコは安全だろうし、その点も安心だ



だから私は成る可く早くここから離れる



皆に会いたい



でもまだ手紙は来ていないようだから、一先ずは森に身を置こう






いつの間にかベッドに寝ていたルークの頭を優しく撫で、私も隣に寝転んだ



遠い昔の記憶に思いを馳せながら


お母様の顔を忘れないようにと頭に思い浮かべる

昔からやってきていたけれど、きっともう、実際のお母様と私の頭の中に居るお母様はだいぶかけ離れた存在だろう

人の脳はそこまで優秀じゃない

もう正確なものは何も思い出せない



…それでも忘れたくないから、やめない





頭の中に浮かんだお母様に問いかける





『貴女は一体誰なの____?』

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作者名: | 作成日時:2020年6月2日 19時

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