第255話…逃げるな！！ ページ5
ユウ視点
A「………憎んでないといえば嘘になる｡会いたくないといえば嘘になる…」
ﾕｳ「なら……っ！！」
『なんで』っと言う言葉が口から出ることはなかった
理由はAの目にうっすらと涙が溜まっていたからだ
A「アドミニストレータ様を憎んで良いのは、私を含めた整合騎士だけど｡愛しい家族に会いたいと願って良いのは私じゃなくてただのAだから」
その言葉の意味を僕はすぐに理解する｡
彼女は整合騎士A・シンセシス・フォーと普通の女の子だったA・アスカルト｡
同一人物であるはずのこの人間を本人である彼女が分けているのだ｡
A「整合騎士としての私は血の道に進み過ぎている｡200年も戦い続けたのだからそれは仕方ない」
僕はそう言う意味で200年も戦い続けたって言ったわけじゃ…
A「だからこそアドミニストレータ様を恨んでは良いもののあの人にその恨みをぶつけることはできない…許されない｡だって私はあの人が不幸にした人間の数と同じぐらいダークテリトリーの者を葬ったのだから」
その言葉を聞いて僕はかつてAが助けて葬ったカイル・アスカルトのことを思い出した
A「愛しい家族は…断片的にしか思い出せない｡だからこそ一眼見たいと思うけれど彼はもう居ないし彼を想って良いのはこの体の本当の持ち主であるただのAだから」
そうだ…アレンはもう人の姿をしていない…でもっ！
ｴｰｽ「だからなんだよ」
今まで黙っていたエースが口を開く
ｴｰｽ「確かに今のAと昔のAは違うと思う｡でもそれは感情もなくただ戦ってた時のAと俺たちと出会って感情を取り戻した時のAとだ」
僕らはエースに視線を集める
ｴｰｽ「整合騎士だとか普通の女の子だったとか言ってるけどさ…それってただ逃げてるだけじゃん｡AはAだし本当は会いたいんだら会いたいって言えよっ！それはお前が記憶を失ってまで望んだ願いなんだろっ！？」
エース…
A「でも…私は…」
ｴｰｽ「逃げるなよ！心の奥深くに刻まれた思いから…願いから逃げたらお前の言う普通の女の子だったただのAはどうなるんだよ！！」
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作者名：氷の妖精姫♪ | 作成日時：2022年4月6日 16時
