第279話…泣き叫ぶ ページ29
ユウ視点
Aが目を閉じ始めた瞬間｡
彼女の目は一瞬見開きそのままとても優しい…
見惚れそうぐらい綺麗な笑顔を見せながら
左手を先ほどまで僕が使っていた金色の剣に手を伸ばす｡
A「…………うん…私…頑張ったよ…兄さん…」
その言葉を最後にAの左手は剣に届くことなく地面に落ち
僕らが握っている右手も脱力していた｡
そして…綺麗な笑顔のまま彼女は瞼を固く閉じ息を引き取った｡
ﾕｳ「…………A…A……っ！！」
その光景を見届けていた霧雨も虚だった目を閉じ静かに息を引き取った…
ｸﾞﾘﾑ「霧雨…？オイッ！霧雨しっかりするんだゾ！！」
僕はAを霧雨の側に寝かせてAの冷たい頬に右手を添える
ﾕｳ「冷たい………本当に…っ！！あ…あ………ア゛ァァア゛ァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ！！！」
僕は初めて会った時から今までのことを思いしながら泣き続ける
A「公理協会 整合騎士 序列4位 クリス・シンセシス・フォーと申します」
ﾕｳ「公理…協会?整合騎士??」
A「1つ聞きます。アレは倒してもいいものですか?」
ﾕｳ「倒していいものです!!」
ﾕｳ「Aーーーー!!Aの作ってくれたご飯一緒に食べよーーー!!」
A「わかりました今戻ります」
A「♪〜〜♫〜♩〜♫〜〜〜」
ﾕｳ「素敵な歌だね」
A「私…今歌ってましたか?」
ﾕｳ「うん!」
A「……………おはよう…ユウ」
ﾕｳ「ふぐっ…グスッ！A…A〜〜〜ッ！！」
他のみんなも泣き止むことを忘れて赤子みたいに泣いた
なんでっ！なんでAが死ななくちゃいけないんだ！！
そんな叫びは誰にも届かずセントラル・カセドラルが揺れ始める
ﾕｳ「っ！！」
アドミニストレータが死んだからなのか…
100階まで続くセントラル・カセドラルは天井から崩れだした
ﾘﾘｱ「監督生…」
ﾕｳ「………グリム…行こう」
グリムは綺麗な水色の目にたくさん涙を溜めながら僕を見上げる
ｸﾞﾘﾑ「で…でも霧雨がぁ…」
ﾕｳ「Aと霧雨は…ここに残ることを決めた…僕たちがその意志を尊重しなくてどうするの？」
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作者名：氷の妖精姫♪ | 作成日時：2022年4月6日 16時
