風邪っぴき監督生 ページ4
季節の変わり目それも冬の頃になると風も冷たくなり風邪を引きやすくなる。オンボロ寮で過ごすと雨漏りや板の隙間から流れ出る風が付いてくる、その為冬場はキツイ時期。
何を言いたいかって、要するに風を召しました。
「あ"〜最悪"。ゲホッ、ケホ…ウゥ。」
じくじくと喉に針が詰まってるような痛さが広がり、鼻の詰まりで息がしずらい、頭もガンガンしてまともに働かないし、熱が出てるので体が熱い。
しんどすぎる。
グリムは学校にしっかり行かせ、私は寮にひとり。
正確にはゴーストさん達もいるけれど。
彼等、肉体ないじゃん?風邪のときって無性に人肌恋しくなりません?心細いっていうか。
とりま寂しいんだよね。
「…寂しいなぁ。」
ほろほろと勝手に涙が出てしまう。
布団に潜り膝を抱えた。寂しさを誤魔化すために眠ろうと目を瞑るけれど息苦しくてて眠りに付けない。
それでも目を閉じていればいつの間にか寝ているだろうと思ってじっと目を閉じていた。
案の定私は眠っていた。
次目を開けた時は放課後の空が窓から見えた。
グリム達も授業が終わった頃だろうか。
「ケホッ…皆まだかな。」
天井の板の数を端から数えていると誰かが部屋に近づく足音が聞こえてきた。
その音は丁度私の部屋の前に来るとやむ。
「だ、れ?ゴホッ、ゴホッ。」
部屋のドアが開きそこに居たのは綺麗な銀髪の空色の目を銀縁の眼鏡で覆った守銭奴な先輩だった。
この学校の黒い制服を着て手にはフルーツの盛り合わせが握られている。
「アズール先輩、お見舞に来て、くれたんですか?」
アズ「えぇ、風邪を引いたとお昼に聞いた時は驚きました。馬鹿は風邪をひかないって言いますし。」
「私が馬鹿じゃないってこと、証明出来ましたね。ゲホッ。」
部屋に置いてあった椅子をベッドの近くに置いて、どっかに行こうとするアズール先輩。
制服の裾をキュッと握ると優しい顔ですぐ戻ってきますよ、と言って行ってしまった。
私は大人しくベッドで待つことにした。
数分後お皿と包丁を持って帰ってきたアズール先輩。
フルーツバケットからリンゴをひとつ取り出すと綺麗な手で器用に剥き始めた。
「流石、じょうずです、ね。私、うさぎさんが良いです。」
アズ「はいはい。」
「以外です、アズール、先輩がお見舞いに来るなんて。何か、あるんじゃないかって、考えちゃいます。」
アズ「病人相手に酷いことはしません。そこまで非道じゃないです。」
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りんご飴(プロフ) - どんさん» 申し訳ありません夢主のイメージは読者の皆様がより楽しく読めるようにお任せしたいと考えています。コメントして頂いたのに御要望に添えず申し訳ないです。コメントありがとうございました。 (2021年6月29日 21時) (レス) id: 3b5b4953e4 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年6月29日 15時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
Lucia(プロフ) - はじめまして。すごく内容も好きで何度も読んでしまいました。おきにいりもさせていただきました!更新たのしみです! (2021年4月6日 22時) (レス) id: 3da15bbf48 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ飴 - 名前似てますね! あっとても面白かったです!! (2021年2月23日 17時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご飴 | 作成日時:2020年12月25日 1時