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27通目 ページ28

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ー虹村side



Aへの意識も日が経てば
無くなるものだと思ってた。
けれど無くなる事はなく寧ろ日が経つ事に
Aの事を考えるようになった。

特に手紙を書こうとすると
友達の事を了承しようとすると
どうしても手が止まって

分かってんのに認める事を拒んでる。


だって、少し文通して
会って話したりしただけなのに。


…こんな気持ちを抱くなんてありえない。


大体、もしもこれがそういう感情だとして
一目惚れとかそういうのに近いものだとして

Aはもう、誰かのモノなんだろ。



虹村「はー…」



夏だった季節は秋に変わり
俺はもうペンを持つことすらやめてしまった。
このまま自然消滅も悪くないと思いつつ
変わらず続けているタツヤとの手紙を開く。

今朝、お見舞いの後に
ポストを開いたらあったので
おそらく今日届いたものだろう。

俺は自室の机に向かってから
タツヤからの手紙を開いた。



ーーーーーーーーーーーー


シュウへ



俺は、人の話を聞かない性格なのかな?

って言うのも、この前チームメイトが
Aの事を口説いた話をしたけど
あれはマネージャーとしてだったみたい。

早とちりだったね、ごめん。
だからシュウにもまだまだ可能性はあるよ

と言いたいけれど…どうかな?


そのチームメイトの人は
Aのことが好きみたいでね。
シュウが早くしないと
遅かれ早かれ彼と付き合ってしまうかもね

シュウはそれでいいの?

昔、倉庫であの子を助けた時のシュウは
簡単に諦める性格には見えなかったけど



タツヤ

ーーーーーーーーーーーー



虹村「…」



話聞かねぇっつーか
一人で自己完結するっつーか。
…だから何で俺がAを好きって事で
話で進んでんだよ、わけわかんね。



虹村「(嫌だ、って思っちまうのは何でだよ)」



タツヤの勘違いにホッとして
そのチームメイトがAを好きだと聞いて
今度は焦りに近い感情と共に
ハッキリと思ってしまった。


あー、嫌だ。



…例えば、運命なんてものがあるとして

エアメールが間違えて届くだなんて
どれだけ低い確率なのだろう。
俺とAの出会う確率は
どれだけ低いものだっただろう。


もしもこれが運命なら俺はどうする?

…そうだな、後輩の言葉を借りるなら



虹村「俺はただ、運命に従うだけなのだよ」



ってか。…運命なんて形もない物だけど
今回だけ、お前の為に信じてやる。

待ってろよ。俺の気持ちを伝えるには



こんな小さな便箋には足りないから。

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ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様といつ付き合いますか (2019年5月1日 9時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - あの…僕のリク書いてくれてるのにあんな事言ってすみません 何があっても祥吾様を命懸けで守る執念が暴走してました (2019年4月30日 15時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:由麻 x他1人 | 作成日時:2017年12月23日 18時

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