【黒バス】恋文日和【虹村Ver.】

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劉なら家族とやり取りをしているだろうから
何か答えをくれると思ったけれど
彼は一瞬だけ悩むと人差し指を私の前に
ピシッと立てハッキリと断言した。



劉「そもそもこのご時世に
文通なんて古い。古すぎるアル!

時代は今、テレビ電話アルよ!」


A「それ言っちゃったら
元も子も無いんだけど、劉もテレビ電話?」


劉「如何にもアル。テレビ電話しながら
動くスタンプやエフェクトを
送ったりする事も出来るアル」


A「未来だ…」


劉「だからあまり参考にならないかもだケド
近況が話せないなら自分の事や
相手の事を話したり聞いたらどうアルか?」


A「なるほど、劉は頭良いねー」


劉「どやぁ…アル」


A「どやぁって何それ?」


劉「褒められたら誇らしげな顔で
どやぁと言うのが常識だと福井に聞いたアル」


A「あー…」



恐らく、ドヤ顔の意味なんだろう。
なんであの人は変な事を教える癖に
先輩への呼び方とかそういう事は教えないの?
うちの先輩達は後輩に甘すぎない?
先輩を呼び捨てって中々舐めてるよね?



A「そういや、他には
福井先輩になにか教わってるの?
その語尾の事は前に聞いたけど」


劉「色々教わってるアルよ
綺麗な女性が居たら
日本では口説くのが常識とか」



そんな常識日本にありましたっけ!?
…このままじゃ劉の中で
日本が変なイメージになる気がする。
って言うか劉がナンパ師になる。

狼少年すぎる福井先輩には
ちょっと控えさせる必要がある気がする。


…まあ、それはそれこれはこれとして。



A「ちなみにどんな風に口説くの?」



中国式ナンパはちょっと気になったので
聞くだけ聞いてみることにした。
劉は一瞬キョトンとすると
すぐにむっ…とむくれっ面になる。

あれ、変な事言ったかな?



劉「Aはもう口説き落とされてるアルよ」



その言葉に今度は私がキョトンとしたと思う。
思い返してみたけれど彼に出会って今まで
口説かれた記憶なんてない。



A「うーん…嘘だー
劉に口説かれた事なんて無いよ」


劉「口説き落としたアルよ
だから今、バスケ部に居るアル」


A「え?…ああ!
…確かに口説き落とされてた。
劉は実は口説きのテクニシャンかも」



私の言葉に劉はまた誇らしげに笑った。
確かに私は彼に口説き落とされていた。
言われなきゃ気付かない程にとても自然に。

マネージャーをやらないかと口説かれた私は
彼の口説き文句にまんまと落とされてしまった

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