【薄桜鬼】名無しの少女の本業は暗殺者です！弐＝８＝

299話 ページ39

気絶するように眠った彼女はいっこうに目を覚まそうとしなかった。









それは当然ともいえた。









死病に冒され、本来ならば動くことすらままならないはずなのだ。









そんななか、人一倍の仕事をこなしている。









肉体はとっくに限界を越えていた。









それに加え、いや、寧ろこちらの方が大きな要因かもしれない。









井上の戦線離脱。









彼女一人にできることは限られている。









そしてこれは、彼女にできることの範囲を越えていた。









皆わかって感謝こそしているが責める者などいない。









なのに彼女は自分を許そうとしない。









脈も呼吸も安定している。









だが、精神が衰弱しきっている。









解決には時間が一番だろうと松本は判断した。









どうにかしたいと願っても何もできないのが歯痒かった。

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