295話 ページ35
皆「!!!」
突拍子もないただの想像。
彼らはきっとそう笑い飛ばしたかっただろう。
だが、バッと勢いよく上げられた彼女の顔はすっかり青ざめ、目は驚きで見開いていた。
貴女「な・・・何で・・・それ・・・・・・。」
声が震える。
冷たい汗が頬を伝って、ガクガクと歯の根が合わない。
井上「私は、幕府方から逃げた者達に襲われた時、もう死ぬだろうと思った。
でもね、雪村君に助けてもらったんだ。聞けば、
君が雪村君に渡したお守りのお陰だってね。」
・・・そうか。
彼女はあれを使ったのか。
井上「私は、もう刀は振るえないだろう。でも、刀じゃなくても
皆と戦うことはできるよ。命さえあればね。」
命さえあれば。彼はそう言って僕を慰める。
でも、僕は守れなかった。
貴女「ごめんなさい。」
呼び止める声を背中で聞きながら僕は後ろ手に襖を閉めた。
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朧 龍 - 70000hitいきました、ありがとうございます! (2021年12月18日 22時) (レス) id: df44173df6 (このIDを非表示/違反報告)
朧 龍 - 60000hitいきました、ありがとうございます! (2019年9月18日 22時) (レス) id: 4e2b574ae5 (このIDを非表示/違反報告)
朧 龍 - 50000hitいきました、ありがとうございます! (2018年12月17日 16時) (レス) id: ea8560f806 (このIDを非表示/違反報告)
朧 龍 - 30000hitいきました、ありがとうございます! (2018年9月2日 21時) (レス) id: bdb3c46ea6 (このIDを非表示/違反報告)
朧 龍 - 20000hitいきました、ありがとうございます! (2017年8月8日 0時) (レス) id: f717af831e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧 龍 | 作成日時:2016年6月30日 23時