【閲覧注意←】パンドラダイアリー。【妄想オリジナル】

「おはよう。」 ページ9

有言実行。
傷の手当てをしてもらった後、私は家にバイクで送ってもらった。
バイクのせいで精神も体力もくたくただったけれど、興奮で胸が落ち着かなかった。

次の日、包帯を腕や太ももに包帯を巻いて登校した私を誰もが驚きの表情で見てきた。
でも誰も心配はしなかった。心配するはずもないだろうけどね。

それでも自然と顔に浮かんでしまう笑みに、隠すなんて選択肢はありはしなかった。

準備はもうこれほどかと言っていいほど万端だ。
携帯には、マスコミに流すための文章が書き連ねてある。
平和すぎるこの国には、いじめの自 殺というのは少しの刺激を与える最高のスパイスだろう。
ましてや死体が見つからないとなると、とっても素敵。

家のパソコンには、2通の遺書。
一通は今まで何があったか、どんな思いだったか。家族に対しての謝罪と、愛していたこと。そして、葬儀は挙げないでほしいという旨の、ありきたりなもの。
もう一通は、私は死ぬつもりはないということ。死体が見つからないのは当然、姿を消してるけど絶対生きてる。バイトしてお金を貯めるから、そのお金を心からの謝罪として受け取ってほしいということ。そして絶対使ってほしいと。最後に、心からの謝罪を述べた。

最後はもう、呼び出しをすればいいだけのこと。
ターゲットは、お昼休み。
高校には購買と食堂が一緒にあり、皆がそこに集まる。
そこで呼び出しをすればいいだけ。来ないなら来ないで構わない。

どちらにせよ、集中的なターゲットの名前は既にマスコミへのメールに書き連ねてある。
同じ学年の人たち全員が主で、そのほか数人くらいだ。

嗚呼、
自分の心の中で囁いた。
興奮でぞくぞくする。

いつもは無表情の私が笑みを浮かべているのを見て、何人もの視線が突き刺さる。
それを気にすることなく、臆することなく私は教室に向かった。

後ろで何かを囁かれる。
いつもなら少しばかり心の中で傷つき心が痛むものだが、今はもう有頂天になりすぎて気にすらしない。
好きなだけ言えばいい。
あとで後悔するのはあなたたちだから。

胸が興奮で高鳴り、思わずスキップしてしまいそうになる。
すでに歩き方が変になっていることは自覚している。
半スキップみたいな歩き方に、歪んだ笑顔。

私は絶好調のまま、いつもは静かに開ける教室のドアを思いっきり心行くまま全力で開け放った。
力をぶつけられたドアは勢いよく壁にぶつかり、轟音を立てて震えて少し跳ね返る。



「おはよう。」

私は、頭を下げた。→←許さない。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す