8. ページ8
それからというもの、外はすっかり暗くなり、店の看板も「OPEN」から「CLOSED」に札を変え店じまいの準備をする。
Aが店の片付けをしている間、ヴィルは霧吹きで水をやるなどの手伝いをしていた。
「お姉ちゃん、こっちの水やりは?」
『あ、それは水やりしなくていいやつだから置いておいて』
「わかったわ」
ヴィルはそう行って、Aが独自に調合して作った栄養剤をプランターの土に刺していく。
『ねぇヴィル〜!こっちきて植木鉢一緒に運んでほしいんだけど〜』
「このアタシに力仕事頼む人なんて、お姉ちゃんくらいよ全く……」
ヴィルはそう言いながらも植木鉢を持って運んでくれる。
『男手があるとすごく助かるわ〜。4年のインターンシップうちに来てくれていいのよ?』
「こき使われるのが目に見えてるから嫌よ。
それにこの店、インターン生受け入れなんてしてないじゃない」
『そういえばそうだったわね』
意地悪な笑みを浮かべるAに、ヴィルは困り顔だった。
「ここでいいの?……というか、これなに入れてるの?」
『余った薬草よ。妖精達への報酬ってところかしら。好きに持って帰らせてるの』
「律儀ね」
『さてと……今日は泊まっていくでしょ?』
「えぇ、もちろん」
『なら、夕食の買い出しに付き合いなさいよ』
「言うと思ったわ……」
Aは財布を手にして、マフラーを首に巻いて店を出て二人で夕食の買い出しに街へ出た。
196人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年11月24日 21時