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街に出かけ、夕食の買い出しを済ませたAとヴィルは、店に帰ろうと寒い夜道を歩いていた。
街灯や建物の灯りが暖かく、穏やかさを感じる。
「相変わらず買いだめ人間ね。袋が重いったらありゃしないわ」
『今日はヴィルがいるから調子に乗って買いすぎただけよ。
……ゲホッ、ゲホッ』
歩いていると、Aが胸を押さえて咳き込む。
「ちょっと大丈夫なの?」
『あーうん。平気。やっぱ外に出るとダメだね。
すぐ体調崩しちゃう』
自虐的な笑みを浮かべるA。ヴィルは何も言わず自分のマフラーを広げAの肩からかけた。
『ありがと』
「……苦しいなら、さっさとやめればいいのに」
『絶対に嫌』
Aの断固とした強い意志にヴィルは溜息をつく。
『私がどれだけ苦しもうと、アイツがそれ以上に苦しんでくれるなら、私はそれだけで生きる糧になるの。
…………最近どう?少しは答えてきたんじゃない?』
「まだ1年しか経ってないじゃない。
けどまぁ……荒れてるわね、確かに」
『フフ、それは大変結構ね』
Aは楽しげな笑みを浮かべてそう言った。
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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年11月24日 21時