三十路未婚の理由【ツイステ】 (ページ10)

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今から約４年前。Aが２４歳の頃の、過去の話。

当時、Aはナイトレイブンカレッジの植物園の管理人をしていた。

２２歳の時に学園長からスカウトされ、まだ２年ほどしか経っていないが、すでにベテランの域だった。

『～～♪』

「鼻歌を歌いながら水やりするヤツ、初めてみたぜ」

『レオナくん。今授業中じゃなかったっけ？』

水やりをしている足元の芝生の上では、当時１年生のレオナ・キングスカラーがふんぞり返りながらAが植物の世話をしているのを見ていた。

『１年から授業サボってたら、後から苦労することになるよ』

「生憎、俺は成績が良いんだよ。やろうと思えばいつでもできる」

そう言いながら大きな口を開けて欠伸をするレオナ。

『呆れた。そんなことしてたらおっかない先生が来ちゃうよ～』

「俺を脅す気か？はっ、植物園の管理人ごときが、健気なこった」

「脅しだと思うか？」

レオナでもAでもない、低い声が聞こえてきて、レオナは寝ながら目線をそっちに向けた。

「この俺の授業をサボるとは良い度胸だ。キングスカラー。

よほど躾し直されたいらしいな」

教鞭をちらつかせながらレオナを見下ろす教師。

レオナはそれを見て「ゲッ」と声を漏らし、隙を見計らって自慢の脚力で逃げて行った。