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「このクルーウェル様から逃げだすとは本当に良い度胸だ」
青筋を立てながらそう言うクルーウェル。当時はまだ28歳で相変わらず若々しい。
『クルーウェル先生も大変ですね。問題児ばかり相手にしてて』
「教師とはそんなものですよ。
……そうだ。来週授業で灯火の花の蜜を使いたいんだが」
『さすがクルーウェル先生。丁度開花の時期です。
採取するならお手伝いしますよ』
「それは助かります」
クルーウェルは優しげな笑みを浮かべてそう言うと、Aと共に花の元へ向かった。
「____ん。こんなものか。結構たくさん育っているな。
Aさんが普段から丁寧に育てているだけある」
『えっ?あ、いや……そんな大したことじゃないですよ』
「聞けば、ご自分で栄養剤などを作っているとか?
さすがにプロは一般魔法士とは違って育て方が違いますね」
何歳になっても人は褒められると嬉しいもので、それはAとて同じことだった。
それに何よりもAにとって重要なのは、”クルーウェルに”褒められたということだ。
「手伝ってくれてありがとうございます。
お礼に、今度ディナーでもいかがです?美味しいレストランを知っているんです」
『嬉しいです。ぜひ』
「ではまた連絡します」
クルーウェルはそう言うと植物園を出て行った。
『はぁ〜……服買いに行かなきゃね。
ヴィルに連絡して見繕ってもらおっと』
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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年11月24日 21時