39話 ページ40
.
それから出発の時間になり、天馬たちはキャラバンでスタジアムへと向かった。
Aは天馬の隣に座って窓の外を眺めながら皆の話を聞いていた。
葵「ギリギリ完成したわね、必殺タクティクス!」
天馬「うん!これで絶対障壁なんて怖くない!」
葵が少し身を乗り出しながら天馬に声を掛けると、天馬は両拳をぐっと握る。するとAは何かに気がついて小首を傾げた。
A「そういえば…必殺タクティクスに名前って付けなくていいの?」
天馬「あ、名前! そうだ忘れてた…!!
狩屋! 何か無いの?」
名前を呼ばれた剣城の前の席に座る狩屋はまた俺かよ、と思いながら天馬たちに顔を向けて名前を考え始めた。
狩屋「うーん…二人で一緒に駆け抜ける訳だから……ら、ランランランニング…とか?」
「「「……。
だっさーっ!!」」」
狩屋が考えた名前に一年組が声を揃えて大声でゲラゲラと笑い出した。
A「ら、ランランランニングっ…て、何っ…!」
輝「素晴らしくダサいですね!!」
葵「ないないっ! 絶対ない!!」
狩屋「っ、だったらどんなのがいいんだよ!」
輝「うーん…あっ、Aさんは何かありますか?」
輝は顎に手を当てて考えた後、Aをチラッと見た後に問い掛けてみた。
Aはツボっていたのかゆっくりと息を整えながら輝の問い掛けに、考え込んだ。
A「名前、…名前…二つで疾風……"ダブルウィング"とかどうかな?」
葵「…! かっこいい!」
天馬「それ! それで行こう!!」
Aが考えた名前は葵と天馬は気に入ったようで、必殺タクティクスの名前は"ダブルウィング"と決まった。
狩屋は小さく舌打ちし、吹雪は楽しそうに話しているAを見て小さく微笑みながら窓の外に青空をそっと眺めた。
.
そしてホーリーライナーに乗って試合会場に向かう。
ライナーの中で、Aの向かい合わせに座ったのは雪村だった。
雪村はAを捕らえるように見据えた瞳で見てくる。その為Aは少し身動きが取れないような感覚になりながらも、何とか雪村からそっとを目を逸らした。
A「(あの瞳は……豹牙じゃない。豹牙はもっと優しい瞳をしていた。だけど、今のあの瞳は優しさを感じられない。……豹牙、何でフィフスセクターなんかに…私たちは、貴方を裏切ったつもりじゃないの。)」
.
62人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りはる | 作成日時:2020年4月1日 2時