38話 ページ39
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吹雪「Aちゃん、大丈夫っ…?」
A「はい、大丈夫です…」
吹雪は軽くAを揺さぶれば、力なく微笑む。
その微笑みを見て、吹雪はほっとした表情を浮かべた。
吹雪「今さっきの白咲は…」
A「…解りません。アイツを見た時、闇に飲み込まれるような…感じがして。」
Aは頭に手を当てながら先程の出来事の説明をするも上手く言葉に出来ず、ただ感覚しか説明出来なかった。
吹雪は心配そうにAを見詰めた後、落ち着かせるようにそっと背中を撫でた。
吹雪「Aちゃん、白咲には気を付けて。今さっきあったみたいに、明日も何か仕掛けて来るかもしれないから。」
A「解りました…気を付けます」
Aが頷くと、吹雪も合わせるように小さく頷いた。
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ﾊﾞｼｭｯ…
遂に剣城がゴールを決め、絶対障壁に対する必殺タクティクスが完成した。
剣城「完成したな、白星」
A「……」
剣城「…？おい、しらほ───」
天馬「やったぁーっ!!剣城!Aーッ!!」
A「…!? きゃっ!?」
声を掛けても何も答えないAを不思議に思い、剣城は再度声を掛けようとした。
その時、天馬が剣城とAに駆け寄る姿を視界に捉えた。
"松風に抱きつかれる"、と解れば剣城はサッと避けた。
だがAは気が付かなかったのか、ハッとした瞬間に天馬に抱き付かれて、そのままドサッと音とともに倒れてしまう。
何と、天馬がAを押し倒している状態になっている。
天馬「遂に必殺タクティクスが完成したね!!」
A「わ、わかったからそのっ、離れて…」
剣城「松風離れろ!!」
剣城は天馬の後ろ首を掴んでひょいっと持ち上げるとAから離れさせた。
剣城に離された天馬はむぅーっと拗ねた様子を見せると、「…剣城のケチ」と剣城からふいっと顔を逸らした。
その姿はまるで母猫に叱られた子猫のようだった。
神童「大丈夫か? 白星」
A「あ、はい、大丈夫です…ありがとうございます」
神童はAに手を差し出すと、Aは優しく神童の手を取る。
しっかりとAの手を握れば腕を引いて立たせると、礼を述べるAに柔らかに微笑んでみせた。
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作者名：りはる | 作成日時：2020年4月1日 2時
