21話 ページ22
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月山国光ベンチ。
近藤は南沢に近付いて、元居た雷門との戦いについて問いかけた。
近藤「如何に思う?古巣との戦いは。」
南沢「奴らは敵です、それ以上でもそれ以下でもありません。ただ倒すだけです。」
兵頭「左様、奴らの敗北は自明。特にディフェンスはガタガタだ。」
南沢の言葉に兵頭が答えれば、兵頭の後ろに居る一文字と柴田が笑みを浮かべた。
一文字「ありゃあザルよ。」
柴田「然り、あれではゴールを決めてくれと言わんばかり。」
近藤「うむ、後半更に追い詰めろ。
だが、呉々にも白星Aには注意せよ。」
南沢「白星A…?」
南沢のオウム返しに近藤は雷門ベンチに顔を向ける。
その視線の先には黒髪の少女、A。
南沢「あの女に気を付けろとはどういうことです?」
近藤「フィフスセクターがホーリーロードの出場を認めた者故に、天分豊かだと話を聞いた。先程の技も中々天晴れであったからな。」
南沢「へぇ、あの女がねぇ…」
南沢はAを見て、シュートを止めた奴だと思い出せばAを軽く睨み付けた。
数分後、ハーフタイムが終わり皆はポジションに付く。
《間もなく後半戦の開始ですが、何と雷門は霧野を下げ交代選手を入れず、10人態勢で臨みます!》
南沢「10人だと…？」
「フッ…嘗められたものよ。」
兵頭「ベンチに控えを揃えながら敢えて10人……如何なる秘策があるのやら。」
笛が鳴り、月山国光のキックオフで後半戦が始まる。
その時、試合の合図に合わせるように機械の羽根が回って三つ竜巻が現れた。
天馬「出た…!」
A「最初から竜巻を起こすなんてね…」
月山国光は竜巻を上手く利用しながらパスを繋げながら前線へと上がってくる。
そして柴田が竜巻を抜けるとAが柴田の前に立ちはだかった。
A「"クレイジースターライト"!」
柴田「ぐっ…!!」
手に力を込めれば光のようなものが溢れる、それを上にあげると大きな星が現れてその強い光に柴田は目を瞑ってしまい、Aにボールを奪われた。
だが月島が直ぐ様にスライディングしてAからボールを奪い、一文字へとパスを出される。
A「なっ…しまった!」
狩屋「くっ…」
狩屋は走っていた足を止めて方向転換すると、直ぐ様一文字に追い着き、前に立ちはだかった。
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作者名：りはる | 作成日時：2020年4月1日 2時
