20話 ページ21
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円堂「それから、霧野」
霧野「はい!」
円堂「後半、お前もベンチに下がれ」
霧野「っ…!?」
円堂から述べられた言葉に霧野は目を見開き、驚きを隠せなかった。
周りの皆も、何故霧野が下げられることになるんだと驚いた表情になる。
神童「霧野はディフェンスの要です、それを下げるなんて…」
円堂「いいな、霧野。」
円堂は神童の言葉に答えず霧野を見詰めたまま述べれば、霧野は俯いて"…はい"と小さく答えた。
神童「……では監督、誰と交代を?」
円堂「後半は、この10人で戦う」
「「「っ！？」」」
皆は円堂が伝えた作戦に、再び驚きに声を上げた。
A「10人ですか…!?」
円堂「以上だ。
白星、霧野のスペースはお前がカバーしろ。」
A「え、あ…はいっ!」
突然任せられた役割に慌てながら答えながらも、俯いたままの霧野を心配そうに眺めた。
A「(霧野先輩……気付いてください。
何故監督は、霧野先輩を下げたのか。)」
葵「Aちゃん、お疲れ様…!」
内心呟いた後に、葵が駆け足でAに近寄るとドリンクボトルを差し出した。
Aは笑顔を浮かべて"ありがとう"とボトルを受け取り、蓋を開けてドリンクを喉に流す。
葵「霧野先輩のスペースをカバーするのは大変だと思うけど……Aちゃん頑張って! Aちゃんなら出来るわ!」
A「うん、頑張るね…!」
Aが微笑めば葵も微笑み返して続いて狩屋にボトルを渡しに行くと、狩屋を何故下げないのかと霧野が円堂と話していた。
暫くすると円堂に"頭を冷やせ"と言われ、霧野はベンチに座って俯いた。
天馬が霧野に近づくのを見て、Aも霧野の元へと向かった。
天馬「霧野先輩、俺…狩屋はシードじゃないと思います。アイツ、"プレーで証明する"って言ってました」
霧野「…それなら証明してもらおうじゃないか。俺はここから見ているからな…少しでも怪しい素振りがあれば、許さない。」
霧野は俯いたまま狩屋を睨み付けながらそう述べると、顔を少し上げてAを見詰めた。
A「霧野先輩…」
霧野「白星、俺の所のカバー…頼むよ。」
A「…はい」
Aが小さく頷いて返事をすれば、霧野は薄く笑みを浮かべた。
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作者名：りはる | 作成日時：2020年4月1日 2時
