19話 ページ20
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狩屋「暑っ苦しいな、くっだらねぇ。」
ベンチに戻ろうとした狩屋は、南沢と三国達が話してるのを聞いて小さく呟く。
すると天馬に名前を呼ばれ、表情を変えると顔を向けた。
狩屋「なんだい?」
天馬「大丈夫? やっぱり霧野先輩にシードの話を…。」
狩屋「いや、気にしてないよ」
狩屋はそう言いながら天馬に背を向けて少し歩き出すと、ニヤッと口角を小さく上げた。
すると狩屋は振り向いて、天馬に少し困ったような表情を浮べる。
狩屋「本当は……気にしてるかな。」
天馬「俺、霧野先輩に言おうか? "狩屋は絶対にシードじゃない"って……。」
狩屋「いやいいよ、こういうのってプレーで証明するしかないからさ。」
天馬「そっか! よし、後半も頑張ろう!」
天馬は両手拳を握って意気込むと、にベンチの方へと走っていった。
その姿を見た瞬間に表情を変えて、狩屋は小さな声で呟きながら続くようにベンチへ歩いた。
狩屋「……変な奴。全然疑わねぇのな。」
A「……。」
剣城「狩屋が気になるのか、白星」
A「ひっ!?
な、なんだ、剣城くんか、ビックリさせないでよ…」
剣城「俺はお化けか何かか」
Aはじっと狩屋を眺めていると後ろから剣城に声を掛けられる。
思わず声を漏らしながらビクッと肩を揺らして振り向くと、剣城の姿にホッと胸を撫で下ろした。
その様子を見た剣城は呆れたような視線を送り、Aは苦笑いを浮かべた。
剣城「で、狩屋が気になるんだろ」
A「えぇ…狩屋くんは霧野先輩に一体何をしたいのか、全然わからなくて。」
剣城「…さあな。だが今は狩屋のことを気にすることより、後半試合どうやって巻き返せるかを考えた方がいい。」
A「そうだね…ありがとう、剣城くん。」
剣城「…別に。」
剣城の言葉を聞き、気にし過ぎたら集中の妨げになると考えればモヤモヤしていたような気持ちが薄れ、剣城に礼を述べて微笑んだ。
剣城はAの笑顔を見た後、少し頬を赤らめてふいっと顔を逸らす。
Aは何故顔が赤いのかわからずキョトンとしていて、"コイツ鈍感か"と剣城は内心呟いた。
皆がベンチに集まると円堂が後半の作戦を伝えた。
円堂「後半、車田は信助と交代だ。」
車田「俺ですか?」
鬼道「竜巻を利用する月山国光からボールをカットするには、西園のジャンプ力が有効だからな。」
車田「わかりました!
頼むぞ信助!」
信助「はい! 頑張ります!」
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作者名：りはる | 作成日時：2020年4月1日 2時
