春と六つ子と幼馴染 ページ5
私は思い出したように、
お弁当の包みを開ける。
中身は至って普通である。
お稲荷さんや唐揚げ、
サンドイッチ、サラダやフルーツなどだ。
「うお! うまそ〜」
「ねぇねぇ早く食べようよ! そんで、野球しよ! 」
「料理できる子って素敵だよね」
「さすが、Aだな……」
「腹減った」
「Aちゃんの手料理……生きててよかった! 」
頭を寄せ合い、お弁当を凝視される。
恥ずかしくなり、早く食べちゃいましょう! と
わざと大きな声を出した。
みんなが食べてくれる間に、
お茶でも配ろうと、バックの中を探る。
『ああっー! 』
六つの顔が一斉に私を見る。
私はぎこちなく、振り向き謝罪をした。
『ごめんなさい。
飲み物置いてきちゃいました……』
「珍しいね。Aちゃんが忘れ物なんて」
と心配そうにチョロ松くんは眉毛を下げる。
(本当にどうしちゃったんだろ)
私は急いでピンク色の靴を履く。
『あっちに自動販売機ありましたよね。
私、買ってきますね』
駆け出そうと意気込むと、
「待ったA! 」
おそ松くんがストップと言うように手のひらを私に突き出してきた。
「俺も行く。
ジュース重いだろ。女の子に持たせられないよ」
気を遣ってくれたことが嬉しくて、
私は素直に甘える事にした。
『おそ松くん、ありがとう』
へへっとおそ松くんは笑い、靴を履こうとする。が、
「えー、ズルいよおそ松兄さん。
僕もAちゃんと行きたい! 」
『じ、自販機に行くだけですよ? 』
そんなに重要な事ではないと思うのだが、
私の声は届いていないようだ。
「はぁん? 早い者勝ちだろうが! 」
「Aとおそ松兄さんが2人きりなんて危険すぎる。
A良いの? 襲われちゃうよ?
この飢えた野獣に! 」
トド松くんはおそ松くんを指差し、懸命に私に訴えている。
「いや、トド松と2人きりでも危険だと思うよ? 」
そう冷静に淡々と言い放ったのは、チョロ松くん。
「チョロ松兄さんは黙ってて!
女の子とデートもした事ないでしょ」
「あんだとコラァ! 」
温厚なチョロ松くんからは想像できない程に、
甲高い声を荒げている。
結局チョロ松くんも立ち上がり、参戦してしまった。
「なになに? みんなでお出かけ?
じゃあ僕も一緒に行こー! 」
十四松くんに至っては状況を把握しておらず、
無邪気な発言をしていた。
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月夜の光(プロフ) - 林檎麻さん» 林檎麻様、更新が遅くなって本当に申し訳ありません! お気に召したらいいなと思っております> < (2016年9月20日 0時) (レス) id: d3821ecd4f (このIDを非表示/違反報告)
林檎麻(プロフ) - 月夜の光さん» うわあぁあぁ返信ありがとうございます!!!こちらこそ本当にありがとうございます!! (2016年8月18日 23時) (レス) id: 6ae5345221 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の光(プロフ) - 林檎麻さん» いつもありがとうございます!リクエストもとても嬉しいです!期待に沿えるよう頑張ります!! (2016年8月18日 20時) (レス) id: 882257e3d8 (このIDを非表示/違反報告)
林檎麻(プロフ) - カラ松とツンデレ妹夢主ちゃんの絡み合いが見たいです!!(笑)いつも怪我ばっかりしている次男の身体を見て、ちょっと心配する夢主ちゃん…みたいのです…分かりづらくてごめんなさい…!! (2016年8月17日 22時) (レス) id: 6ae5345221 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の光(プロフ) - 林檎麻さん» コメント本当にありがたいです!一松が一番好きなので、どうしても一松ばっかりになってしまいます笑笑 新作も見て頂きありがとうございます!そちらは全然更新出来てませんね…なのでそっちも頑張ります!いつもありがとうございます!! (2016年7月3日 9時) (レス) id: 882257e3d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜の光 | 作成日時:2016年3月17日 0時