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残酷な赤、灰色の僕 *一松 ページ1

残酷だと思った。
























「ぁ」



小さく発したつもりだったが、

目の前の人物には聞こえていたらしい。

自分の声は低く、

雨も降っていてかき消されると思ったのに。



顔の前で合わせていた手を解き、こちらを振り向いたのだから。



『一松くん、久しぶりだね』



彼女は淡い桃色の傘越しにニコリと笑う。



こんな時、

普通に久しぶりだと返せばいいものを、

僕は戸惑い、

素っ気なく頷くだけになってしまう。



それでも彼女は僕の性格を分かっているだけに、

こんな態度に嫌な顔一つしない。



僕が線香をあげやすいようにその場所を空けた。





『一松くんが来てくれて喜んでる』

「うん……」





聞こえるか聞こえないかの音量で紡いだ言葉は、
強い雨に遮られた。









ねぇ、聞いてる?





僕は未だに怒ってるんだよ





あの日、彼女に対して言った言葉を





ねぇ、





おそ松兄さん__







Aは僕と最初に会った時、

一松くんは落ち着いてるんだね、と言った。



誰と比べたかなんて直ぐ分かる。



まさか、

あのおそ松兄さんに彼女が出来るとは、

とみんな当時は驚愕していた。



でも慣れは恐ろしいもので、

おそ松兄さんの隣に彼女がいる事は、

いつしか当たり前の光景になっていた。




誰が見ても幸せそうな恋人同士。

兄弟が幸せなことは良いことだ。

でも、どこかに嫉妬と羨望が混じる。






あの隣が僕だったら、と。

残酷な赤、灰色の僕→



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月夜の光(プロフ) - 林檎麻さん» 林檎麻様、更新が遅くなって本当に申し訳ありません! お気に召したらいいなと思っております> < (2016年9月20日 0時) (レス) id: d3821ecd4f (このIDを非表示/違反報告)
林檎麻(プロフ) - 月夜の光さん» うわあぁあぁ返信ありがとうございます!!!こちらこそ本当にありがとうございます!! (2016年8月18日 23時) (レス) id: 6ae5345221 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の光(プロフ) - 林檎麻さん» いつもありがとうございます!リクエストもとても嬉しいです!期待に沿えるよう頑張ります!! (2016年8月18日 20時) (レス) id: 882257e3d8 (このIDを非表示/違反報告)
林檎麻(プロフ) - カラ松とツンデレ妹夢主ちゃんの絡み合いが見たいです!!(笑)いつも怪我ばっかりしている次男の身体を見て、ちょっと心配する夢主ちゃん…みたいのです…分かりづらくてごめんなさい…!! (2016年8月17日 22時) (レス) id: 6ae5345221 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の光(プロフ) - 林檎麻さん» コメント本当にありがたいです!一松が一番好きなので、どうしても一松ばっかりになってしまいます笑笑 新作も見て頂きありがとうございます!そちらは全然更新出来てませんね…なのでそっちも頑張ります!いつもありがとうございます!! (2016年7月3日 9時) (レス) id: 882257e3d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月夜の光 | 作成日時:2016年3月17日 0時

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