六 ページ22
「くっそぉぉぉぉぉぉ!」、燐がそうやって、発狂する。皆、抜き打ち試験であることに騙されて、子猫丸は、今更ながら、後悔している。
「あんた達は、大丈夫でしょう。奥村先生は、試験前、強く念を押していたし…。」
「
「お前は、まだ全然マシやろ。あいつらなんか、完全に、外野を決めこんどったんやぞ。」
「なんか言うことないんか、お前ら!あぁ!?」
これに対し、山田は関係のないことで返し、宝は、挑発をした。これにより、竜士の眉間に、シワが寄った。美緒が、「竜士、そんな眉間に、シワ寄せてたら、シワとれなくなるで?」と、軽く挑発した。
「なんやと!? この無気力女!」
『ちゃんと、料理はできるし、まだ干物女よりは、全然マシやろ。』
そんな会話をしていたら、しえみが、目を覚ました。「みんな、なんのお話してるの?」、しえみが、そう訊くと「試験のことについて、ちょっとな」と廉造が、短く答える。
「一番の功労者は、杜山さんやな。」
「杜山さんが、おらんかったら、と思うとぞっとするわ。ほんまに、ありがとう。」
「へっ!? えっ!? こ、こちらこそ!」
「杜山さんは、絶対、合格やな。」
「ははは、せやないと俺ら、全員落ちるわ。」
皆が、しえみのことを、褒めていく。
美緒は、小さく「ありがとう」とだけ言い、黙って、本を読むのみ。大分元気になったらしく、いつも通り、聖書を読んでいる。
「お前も、なんか言えや。」
『…ありがとう。』
「あぁ? 声が小さくて、よぉ聞こえへんかったわ。もう一回、言え。」
『せ、せやから、ありがとうって、言うてるやろが!』
「へっ!? いや、み、美神さんも、凄かったよ!」
『いや、あれより早く行動できひんとうちの中では、納得いかへん。そういう部分も考えると、ほんま、杜山さんは凄い子やなぁ、って思うわ。』
美緒も、しえみのことを、褒めていく。
しえみは、皆を護るために、バリケードを貼った。まだ悪魔の扱いに慣れていないからかもしれないが、美緒は、自分の喉の調子を知っていたにも関わらず、あの時まで、声を出さなかった。
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心愛(プロフ) - ライチさん» なんか、大切にしてくれそうな感じが、私は、好きです。勝呂くんは、ほんま、かっこええんですよ…!(なんで、関西弁) (2018年1月17日 20時) (レス) id: cf2592aa4a (このIDを非表示/違反報告)
ライチ - 勝呂くんっていいですよね (2018年1月17日 20時) (レス) id: a0268dc41a (このIDを非表示/違反報告)
心愛(プロフ) - Nakoさん» ありがとうございます。 (2018年1月14日 22時) (レス) id: cf2592aa4a (このIDを非表示/違反報告)
Nako - 更新頑張ってください!気長に待ってますw (2018年1月14日 22時) (レス) id: 70ebcf406e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桐生心愛 | 作成日時:2018年1月14日 21時