兄 ページ41
貴「おはようございます、土方さん。」
土「あぁ。」
貴「...。」
あの日から土方さんが私を避けるようになった。
理由は何となくわかってる、でも...。
避けられるというのは想像以上にきつい。
嫌な気持ちを振り払う様に私は毎日1人刀を振っている。
風「酷だな。」
貴「風間さん。」
風が吹くのと共に風間さんが現れた。
風「我らは鬼、奴らは人間。どうやっても仲間になどなれぬ。」
貴「わかりきっていること。」
風「頭ではわかっていても、心では違うことを願っている。そうであろう?」
貴「そんなこと...。」
風「だが、いつか疎ましく思われる日がくる。」
貴「...。」
風「俺と共に来い。咲耶、お前が俺と共にくれば奴らも、千鶴も守ることができるぞ?」
貴「それは。」
風「...まぁよい。今日は伝言を伝えに来た。」
貴「伝言?一体誰から...。」
風「お前の兄、雨宮遥希からだ。」
貴「...嘘だ。兄さんは、あの日...死んだんですよ?」
風「俺はそんなに嘘をわざわざ言いに来るほど暇ではない。...明日の夜、町外れにある桜の木で待つ。俺は伝えた、いくか行かぬかは己で決めるが良い。」
貴「...兄さんが生きてる?風間さんが嘘をつくとは思えない...。」
考えた末、私は兄に会いに行くと決めた。
夜、町あかりから遠のき、人気のない道を1人歩く。
視界が開け、葉桜となった木の下、一つの影を見つけた。
木に背を預け目を瞑っている見覚えのある姿に息を飲む。
兄「...11年ぶりか?元気だったか、咲耶。」
ゆっくりと目を開け、こちらを見た青の両眼と視線がぶつかる。
貴「遥希兄さん...。」
兄「覚えてるか、いつもの。」
貴「もちろん。」
兄と私はそれぞれ笛と扇子を取り出し、兄が音を奏で、私が歌い舞う。
その様子を月だけが見つめていた。
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咲耶(プロフ) - 薄桜鬼☆ハルハルさん» 完璧だなんてお恥ずかしい(///_///)ありがとうございます!よろしければ他の作品もよろしくお願いします! (2018年2月4日 18時) (レス) id: 5d27d89fab (このIDを非表示/違反報告)
薄桜鬼☆ハルハル - 話も面白いし、絵も上手い完璧すぎます!(≧∇≦) (2018年2月4日 15時) (レス) id: 5848c8507f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲耶 | 作成日時:2017年4月10日 20時