今と未来、僕と君。5 (ページ40)

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その頃銭湯では

袴田「えっ……会社の金が見つかった…？」

驚いた声で電話をする
袴田の姿が。

火口「あぁ、あん時…俺自分で金を投げちまってトラックに乗ってたのを見てた人が運送会社の名前教えてくれてな」

電話の相手は…社長の火口。
Aと良太郎はその光景を見て
安堵の笑みを浮かべた。

袴田「そうですか…！よかった…！」

袴田も嬉しそうに笑っていた。

火口「手前の酒癖の悪さ棚にあげてよ、おめぇを疑ったりして……許してくれ…！！」

社長は勝手に自分の憶測で袴田を疑ったことを涙ながらに謝罪した。

A「社長はずっと袴田さんを疑ったことを後悔してたんです」

社長の言葉を聞いて涙を流す袴田に
社長の本当の気持ちを教えた。

あの日、Aが話していた時に

すごく後悔していたのだ。

A「だから被害届も出していなかったんです」

袴田「社長っ………！！」

良太郎「ということは…」

被害届を出していなかった、というAの発言を受けて

良太郎がAの顔を見た。

Aはにっこりと笑って頷いた。

A「袴田さんは警察に追われていませんよ」

被害届が出ていない、ということは
警察は動かない。
愛理もAと同じく笑っていた。

愛理「袴田さん、よかったわね…！！」

愛理がそう言うと
袴田は泣きながら強く強く頷いた。
あの時の愛理の言葉がなかったら
誤解が解けず、このままになっていたかもしれない。

火口「こんなこと…言えた義理じゃないんだけどよ、袴田…またウチで働いてくれねぇか…？」

袴田「ありがとうございます……でも、償わなければならない罪があるので…！」

袴田「失礼します…！」

最後にそれだけいうと
通話を切って
Aに携帯を返した。

良太郎「行くんですか…？」

袴田「みんなにも迷惑をかけた、ケジメは…つけさせてもらう…！」

袴田は警察の前に出るつもりだ。
会社の話は解決になっても
この立てこもりの話は解決していない。

1人覚悟を決めて表に出ようとした袴田を

強盗「おい！」

強盗が声をかけて止めた。

強盗「俺も、ケジメつけるよ」

強盗も強盗でケジメをつけるようだ。
いや、元はと言えばあんたが始めたんだろこの立てこもり。