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身に覚えもない会社の金を盗んだというあらぬ罪を勝手に着せられた袴田。
誤解が解けぬまま会社を飛び出し
それきり社長には会ってない。
そんな話をした袴田の顔はどこか後悔してるような、とにかくスッキリしない顔をしている。
良太郎「じゃあ…冤罪ってやつ…?」
愛理「お気の毒に…その社長さんなにか勘違いしてるんじゃないでしょうか…?」
袴田の話を聞いた愛理も袴田の気持ちに同情している。
さすがにこれは…可哀想というか、気の毒でしかない。
RA「僕もそう思う!!」
良太郎「A…!?」
A「しまった…!!」
同情する愛理に同感する声は
Aから発せられたものだったがどう考えてもAの声じゃなくて、誰かとAの声が混ざったようなそんな声だった。
それもそのはず、ほんの一瞬リュウタロスがAに憑いたからだ。
良太郎は慌ててAの方を見ていた。
愛理「どうしたの?」
A「えっ…あー…その…」
良太郎「ぼ、僕もそう思うよ姉さん!ね?」
上手くごまかせないAの代わりに同じ一人称が「僕」である良太郎が必死に自分が言ったかのように誤魔化してくれた。
それもちょっと無理あるのか、愛理はしばらくAと良太郎の顔を交互に見ては不思議そうに見つめている。
A(バレたらまずい…リュウタロスったら…)
良太郎(なんとか誤魔化せた…のかな?)
袴田「迷惑かけてすまなかったな」
突然の出来事に戸惑っていた良太郎とA
そして不思議そうにしていた愛理に袴田はそう言い放った。
袴田「じゃあ」
あらぬ罪を着せられているのに
無実を証明できぬまま
納得できないまま自首する選択を選んだ袴田はこの場にいるみんなに詫びると
自首をしに警察の元に行こうと歩き出す。
愛理「待ってください!」
そんな袴田を愛理が呼び止めた。
愛理「今捕まったら冤罪を晴らせませんよ?何かいい知恵が浮かぶまで頑張りましょう!」
肩を掴んで、あと少し頑張ろうと
暖かい言葉をかける愛理。
袴田「いや…でも……」
袴田は戸惑った様子で曖昧な返事をする。
愛理「星はね、晴れた時だけ見えるんです」
愛理がそう言葉をかけると袴田はハッとした顔になり良太郎やAの顔を見た。
袴田の目線の先には
愛理と同じく優しく微笑む良太郎とAの姿。
2人も愛理の考えと同じ。
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作者名:ちあ | 作成日時:2019年11月22日 8時