今と未来、僕と君。5 (ページ23)

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さっきまで威勢のよかった強盗犯も同じくらいオドオドしている。

A「そういえばなんでこんなところにたてこもろうとしたの？」

良太郎を挟んでAが強盗犯に問いかける

良太郎(僕を挟んで会話されると狭いよ〜)

男「おう！そうだ！なんでだ！！」

強盗「ご、強盗に入ろうと思って、で、ウロウロしてたら警官がいたんで！で…この人の自転車を盗んで」

みんなに問いつめられているからか
挙動不審な受け答えをする強盗犯。
さっきまでの威勢はどこへやら…

強盗「そしたらいつの間にかそういうことに…」

良太郎「じゃあ…凶悪な強盗犯っていうのは…」

強盗「つ、つい勢いで…」

さっき自分で言っていた自称凶悪な強盗犯も真っ赤な嘘。

強盗「け、拳銃だって…おもちゃだし」

男「何ぃ！？」

男はよーく拳銃を見た。
するとそこにはちゃんとおもちゃだという証拠のシールが貼ってある。
心の底から本物だと信じて疑わなかったのだろう。

愛理「準備出来ましたよ！さぁどうぞ？」

するとそこでりんごの皮を剥いていた愛理が笑顔でここにいる全員に話しかけた。
この場にいる人間では愛理だけが全く危機感がない。

「いただきます！」

縄をほどかれ解放された良太郎とA、そして強盗犯

そして拳銃がおもちゃと知ってがっかりする男

みんなそろって愛理が作ったサンドイッチを頬張る。

男「拳銃はおもちゃだし、人質は自由に出入りするしこんなことしてても意味無いな」

冷静になった男は
今自分がどんな状況に置かれているか考えるとそれが無意味なことだとわかってきた。

男「自首するよ」

この際きっぱりと自首することを決めたようだ。

良太郎「そうですね、それがいいと思いますけど」

良太郎は隣でそんな話をする男にそれがいい、とやんわりと答えた。

良太郎「袴田さんでしたよね？なんで警察に追われてるんですか？」

男の名前は袴田。
良太郎はそんな袴田に警察に追われてる理由をなんとなく聞いてみる。
確かに言われてみれば気になる…。

袴田「俺か？俺はな…」

すっかり冷静になった袴田は愛理のサンドイッチを頬張りながら答えてくれた。

袴田「以前働いてた会社で金を盗んだって疑いをかけられたんだ」

袴田「身に覚えはないんだが、社長が出るとこへ出てやるって…頭に来て飛び出してそれっきりだよ」