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寝たフリしたキンタロスに呆れつつも


Aはリュウタロスのことを見た。



そして席を移動し、リュウタロスの座るテーブルがある席についた。







A「うーん、確かに女の子は強いひとが好きかもしれないね」






Aがそう口にした途端モモタロスとウラタロスが慌て出す。


また刺激したら意味がない。






リュウタロス「そっか」




A「でも、私は別に強くなくてもいいかな」








ガッカリするリュウタロスにAが言葉を付け加える。








A「私の好きな人は、他の人と比べたら弱いかもしれない」




リュウタロス「それ良太郎のこと?」




A「さぁ?」






ふふっと笑って頬杖をついて

リュウタロスにきちんと教えた。







A「人を好きになるのに、これってことはないんだよ、人によって違う」





A「強い人を好きになる人もいるし、優しい人を好きになる人もいるし…決まりはないよ」








何言ってんだろう、と思いつつも

リュウタロスがちょっとだけ元気になってくれるのなら…







A「必ず強いからって好きになるとは限らない」




A「強くても…人のことを心配できない人は好きになる人なんて多分いないよ」







強くて、人の心配ができる優しい気持ちが侑斗にはあった。



普段あんなだけど、デネブの言う通り根は優しいはずだ。



Aは先程の戦いを見てそう感じている。







A「弱くたっていい、弱くてもその人にはきっとそれが気にならないくらい素敵なとこがあるよ」




リュウタロス「たとえば?」





A「うーん、辛い時そばにいてくれるとか?」




リュウタロス「ふーん」







Aが今口にしたことは完全に良太郎のことだ。


誰がどこから聞いてもそう思うに違いない。








A「侑斗に負けちゃったの、気にしてる?」




リュウタロス「別に…次は僕が勝つ、あいつより弱いはずがないもん」




A「うん、それがいいよ」






Aの優しい言葉を聞いて

リュウタロスがちらっとAを見た。







A「負けて悔しいなら、次は負けないように頑張って強くなろう、私も一緒に頑張るから」





リュウタロス「一緒に?」





A「でも、侑斗と戦うのはダメだよ。今度やったら何がなんでも止めてみせるから」






A「良太郎と2人で。」

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作者名:ちあ | 作成日時:2019年12月1日 14時

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