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柱の影に隠れていったハナを追いかけた良太郎だが
すぐになにかいけないものをみてしまったような顔をして戻ってきた。
恐らくハナが着替えていたのだろう
良太郎は柱の前に立って通行人が見ないように必死に盾になることに。
デンライナーに良太郎が戻ると
まだ絵を踏まないように奮闘しているのか
今度は3人抱き合って必死に耐えている
モモタロス、ウラタロス、キンタロスの姿が。
そこから少し離れた場所で
リュウタロスが1人ぽつんと体育座りしていじけていた。
その手にはリュウタロスが描いたリュウタロスと、愛理と、Aの絵。
良太郎がしゃがんでそれを覗き込むと
気がついたリュウタロスはそっと絵を2つ折りにした。
良太郎「リュウタロス、もう二度とあんなことしちゃダメだよ」
良太郎は怒鳴るわけでもなく、きつく叱るわけでもなく
優しく幼い子供に話しかけるように
そっと注意した。
すると黙っていたリュウタロスが口を開いた。
リュウタロス「良太郎はお姉ちゃんとられてもいいの?」
リュウタロス「お姉ちゃんあいつが好きなんだよ?僕の方が絶対強いのに…」
やっぱりリュウタロスはまだ侑斗と愛理のことを気にしていた。
リュウタロス「それに、Aちゃんだっていつかは良太郎の知らない強い人に取られちゃうかもしれない」
リュウタロス「それでも良太郎は嫌じゃないの?」
そう呟いたリュウタロスを見て
良太郎は一瞬だけ戸惑った顔をしたが
すぐに元に戻った。
良太郎「強いから好きなんじゃないよ」
リュウタロス「でも熊ちゃんが言ってた」
良太郎は黙って
耐えているキンタロスの方を見た。
キンタロス「お、俺は…一般的な話をな!!」
キンタロスは必死に言い訳をする
モモタロス「テメェの一般的は熊基準だろうが!!」
その話を聞いた良太郎は苦笑い。
良太郎「リュウタロス、きっと姉さんだってダメだって言うよ?」
そしてまた優しい声でリュウタロスに話しかけた。
良太郎「Aだって言ってたし」
疲れているのか近くの席で寝るAをリュウタロスは見るが
ぷいっと顔を背けて
リュウタロス「お姉ちゃんとAちゃんが言ってもやめない!」
と拗ねた様子で返した。
本当に子供のようだ。
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作者名:ちあ | 作成日時:2019年12月1日 14時