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一方ミルクディッパーでは
笹の葉が飾られ
その笹の葉に吊るされた短冊には愛理さん好きです!などといった常連客のお願いごと…というよりは愛の告白が書かれている。
三浦「尾崎、お前らしくないな!こういうのは馬鹿にするタイプだろう」
いつも通り来店していた三浦は
慌てた様子で笹の葉に短冊をかけた。
尾崎「三浦くん!僕は昔から七夕という日だけは全力で願いをかけに来たんだ」
尾崎「男と女の為にある年に一度の切なくロマンティックな恋なんだから」
なにを争ってるのか、
わちゃわちゃもみくちゃになってる三浦と尾崎。
尾崎「ねぇ愛理さん!」
愛理「そうですね…1年に1度しか会えないと思うと切ないし」
愛理「1年に1度は必ず会えると思うと……美しいですかねぇ」
愛理もいつも通り
常連客のためにコーヒーを煎れていた。
そして店に飾られた望遠鏡を見つめては
にっこりと微笑んだ。
望遠鏡を眺めていると
横から見覚えのある顔が…
愛理「あら…!いらっしゃい!」
望遠鏡の近くに姿を現したのは
デネブと別行動をしている侑斗だった
男「なんだかわかんないけど、お節介なやつがいるもんだな〜」
必死に七夕お菓子セットを売ろうと奮闘しているデネブを見ながら
半分強制的にベンチで休めと言われていた男性はそう気だるそうに口にする
ごろんとベンチに寝っ転がる男性の中についに
うろうろしていたイマジンの光が入ってしまった。
イマジン「お前の望み言え、叶えてやろう」
まだ砂の状態のままのイマジンが現れ
男性に望みを聞き始める。
デネブも気がつく気がしないし…このままでは非常にまずいことに
イマジン「言えよ」
だが男性はよっぽど疲れているのか、眠いのか
突然現れたイマジンの言葉に耳を傾けるどころか驚きすらしない。
イマジン「お前の望みだよ、言えよ」
逆にここまでくると凄いというか
イマジンもそんな男性を前に戸惑っている。
男「課長のバカヤロー、こんな仕事回しやがって…」
すると男性が望みというよりは
会社での愚痴を口にした。
かなり鬱憤が溜まってる様子。
イマジン「よしわかった、課長だな」
男性が恐らく寝ぼけて言った愚痴を
”イマジンの勝手な解釈”で望みと認定し
イマジンはまさに今動き出そうとしている
そしてデネブは売り出しに夢中なのかまだ気が付かない─。
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作者名:ちあ | 作成日時:2019年12月1日 14時