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侑斗「やっぱりダメだな、お前」
疲れきって
膝と手をつき息を整えている良太郎を見て
侑斗は呆れた声で話しかけた。
侑斗「時の運行を守るのは人助けとは違うって言ったろ?」
侑斗「お前弱いし運も悪いし、おまけになにもわかってない」
なにも言い返す気力もない良太郎。
侑斗はお構い無しに冷たく言い放つばかり。
だが、それこそなにも言い返さなかったが
その強い目は侑斗を見上げていた。
諦める気配のない、強い目で無言でひたすらに─。
侑斗「行き当たりばったりでいい人やるな」
侑斗「迷惑だから」
言いたいことを言いきったのか
侑斗は良太郎に背を向け歩き始める。
すると
なにも言い返さなかった良太郎が
良太郎「やらなきゃいけないと思ったらやるよ」
背を向け歩き出した侑斗に向けて
顔を上げ
強い意志の籠った声で
良太郎「これからも。」
言い返した。
確かに彼は弱いかもしれない
でも
1度決めたらやり通す意志の強さは誰にも負けない。
良太郎「人助けとかそんなんじゃなくて、できることがあったらやるだけなんだ」
良太郎「僕が電王になった時みたいに」
自分ができることがあるのならばやるまで。
それが良太郎の意思。
侑斗「お前…」
良太郎「弱かったり運が悪かったり、何も知らないとしても─」
立ち上がり
自分の意思を言葉にする良太郎を
呆れているのか、それとも怒っているのかわからないが
侑斗は振り返って見つめた。
良太郎「それはなにもしないことの言い訳にならない」
良太郎「僕の知ってる桜井さんが言ってた」
良太郎「桜井さんが生きているのなら僕は必ず連れ戻すよ」
──
夕暮れ時
良太郎は1人あの木の下を掘り起こしていた。
その木の幹には恐らく良太郎が目印として付けておいたのだろう布が巻かれている。
1人でしばらく掘り進めていると
突然隣から現れた綺麗で細い手が同じように土を掘り返し始めた。
驚いた良太郎が横を見ると
良太郎「A…帰ってたはずじゃ」
イマジンとの戦闘時
先にデンライナーに戻ったはずのAが
再びこの場所に来てくれたのだ。
A「いいから、早く急ごう日が暮れちゃう前に」
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作者名:ちあ | 作成日時:2019年12月1日 14時