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男「あの怪物が…?」
侑斗が訪れたのは
モモタロスの言葉でいう”クラゲ野郎”に襲われた男性が入院している病院。
男性の名前は天野晃平。
(以下天野表記)
侑斗「まぁ…間違いなくまた襲ってくるでしょうね」
侑斗「何を望んだんです?」
侑斗がそう聞くと
天野さんは俯いたまま
天野「タイムカプセルだよ」
侑斗「タイムカプセル?」
天野「1年前結婚するはずだった彼女と一緒に埋めた」
なにをイマジンに望んだのか答えてくれた。
天野「俺は…変なことするやつだなとくらいしか思わなかった。」
天野「それまでの俺はボクシングのことしか頭になかった」
以前ボクシングをやっていた彼は
彼女と結婚することをきっかけに
安定した生活を送るためにボクシングをやめた。
天野「今日、2度もこの話をするなんてな」
愛する彼女の写真を見ながら力なく呟いた。
侑斗「2度?」
天野「あぁ…さっきも野上って子が2人来て」
1度目に話した相手は
良太郎とAだったのだ。
侑斗がふと窓の外にある建物の上を見ると
その建物の屋上にはこちらに背を向けて座るAと正面を向いている良太郎の姿
侑斗(あいつ……へこんでると思ったのに…!!)
侑斗はまた目線を天野さんに戻した。
写真見ている天野さんの顔は酷く悲しそうな、切ない顔をしていた。
どうしようもない気持ちになり
侑斗は深く息を吐いた。
ぼんやりと窓を見つめていると
突然窓ガラスが割れ
天野「うわぁああー!!」
触手が天野さんの足元と首元に絡まり
そのまま連れ去ろうとしている
侑斗は咄嗟に天野さんを掴むが
跳ね返されてしまった。
A「良太郎!イマジン!」
外から警戒していたAと良太郎もイマジンの存在に気がつきすぐに駆け下りてあとを追うことに。
”タイムカプセルを埋めてちょうど1年遥香が病気で手術をして…”
”二度と目を覚まさなかった”
”遥香は知ってたんだ、だからもしもの時に俺になにかを残したくてタイムカプセルを…”
急いで走ってイマジンを追う。
男性の辛い胸の内を聞いてしまったら
やめろ、関わるなと言われようが
人助けとは違うと言われようが
黙って見過ごしてるわけにはいかない。
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作者名:ちあ | 作成日時:2019年12月1日 14時